【自閉症児を育てる過酷な現実  Hardships of raising Autistic Children

 

    鬱/無理心中/自殺           
  Depression/Murder-suicide/Suicide
     
Image:by dearbarbie CC BY-SA 2.1 JP
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Case 1】

210ヶ月の娘ですが、一言もしゃべらない為、発達障害専門の病院を訪ねたところ、自閉症と診断されました。言葉の遅れ以外に、行動にこだわりがあり、家にある全てのおもちゃを一列に並べたり、積んだりします。公園では石を並べます。それを止めさせようとすると、ひどく暴れて手がつけられず、大声で泣き叫び、床に頭を打ちつけます。これらの行動も全て自閉症が原因で起こる事だと言われました。初めての子育てでこんな壁に当たるとは夢にも思っていませんでした。私は今、自閉症のわが子と、どう接したらいいのか分かりません。公園ではお友達のおもちゃを無言で横取りするので、「貸してって言おうね、一緒に遊ぼうね」と教えるのですが、全く言葉が通じず理解してくれません。今では公園に行けなくなりました。スーパーなどに一緒に入ると、いつもお店の子供用カートに乗せるのですが、最初はおとなしくしてるのに、3分くらいすると、意味もなく突然、「ワァー!アァー!」と叫び、暴れ出すので、周りのお客さんが一斉に振り向き、私はすぐにその場を立ち去ります。今では買い物にも行けず、ヨシケイを取っています。毎日こんな状態のくり返しで、毎日泣いています。そしてやってはいけないと分かっていますが、娘の行動があまりにひどく、ストレスが溜まりすぎてしまい、つい殴ってしまいます。そのたびに二人で大泣きをしては「もう死にたい。」と叫んでいます。どうか私を助けてください。たとえ自閉症児であっても、娘には幸せになって欲しいと本気で願っています。しかし、会話ができない、暴れる、そんな娘との生活を少しでも幸せに暮らすには、私はどうしたらいいのでしょうか?どうか教えてください。(涙)

  

 

Case 2】

一家心中を考えています。40歳の女です。女の子5歳、男の子4歳がいます。二人とも自閉症です。旦那は離婚していません。働きながら一人で育ててきましたが、毎日辛いです。近くに私の両親がいて、二人をとても可愛がってくれますが、もう歳だし、先の事を考えると希望も何もありません。死んで楽になりたい。障害のある子を置いていけないので、皆で死にたいです。
もう、どうしたらいいのか分かりません。
 

 

 

Case 3】

私は小2高機能自閉男児の母です。私も今では落ち着きましたが1年半前は上手くいかない息子の学校生活、それによって学校介助に入り、仕事を辞め社会人としての生活を遮断され完全に精神のバランスを失い子供の前で泣き叫んだりなかなか寝付かない子供の首を絞めかけたりもうぐちゃぐちゃでした。もうこれは自分は絶対おかしいと気付き、子供のかかりつけの精神科(発達障害も専門としてる)に相談し、弱めの坑うつ剤、坑不安薬を処方され、2ヶ月くらいでやっと効き始め、今はすっかり落ち着いています。

 

Case 4】

2006年宮城県で、自宅で長女(33)を殺害したとして、殺人容疑で同県角田市枝野寄井、無職の母親(55)を逮捕した。自宅1階の寝室で長女の首を絞めて殺害した疑い。長女は知的障害者で角田市内の知的障害者介護施設に入所、母親も介護していた。調べに対し「介護に疲れた。娘をふびんに思った」などと供述している。長女が入所する施設によると、施設は3日から一週間の休暇になり、入所者が一時的に帰宅していたという。

 

 

Case 5】

22日午後、タイ・バンコク都タウィーワッタナー区ソイ・タウィーワッタナー・ガーンチャナピセーク47にあるタウンハウスで、拳銃自殺している親子の遺体が発見された。タイ地元紙によると、遺体で発見された親子は、父親(49)と息子(17)の2人で、現場の状況から父親が息子を拳銃で射殺後、自殺したものとみられている。無理心中を図った父親は、自閉症を抱える息子の世話で、心身ともに疲れきっていたと、付近の住民が語っている。

 

 

などなど・・・ネットで検索すると、将来に悲観し、絶望感から、無理心中を図る親御さんが後を絶ちません。

 

 

2005RKB毎日放送報道局報道部ドキュメンタリー番組 「うちの子 ~自閉症と言う障害を持って~」が放送され、反響を得ました。この番組を製作担当したのは、自身も自閉症児のお父さんでもある神戸金史記者で、自らご自宅にカメラを持ち込んで息子さんや奥様の姿も撮影されました。番組の中で、「父親が仕事から帰宅すると、自閉症児の子供が混乱してしまい、生活に支障があるからと、父親とは別居をしている」というある母親が紹介されていましたが、画面からは、その情熱と切羽詰まった状況とが滲み出ていました。母親は、内蔵に疾患があるとの事で、「あと10年、必死にがんばって、人に託すような状態に子供がならなければ、楽しかった思い出だけ抱いて、一緒に逝こうと思っている」と語りました。

 

自閉症の子どもを養育する苦労は、周囲の想像をはるかに超えるものがあります。言葉がなくコミュニケーションができない、多動でストレスを発散するために夜中歩き回る、睡眠障害があり睡眠薬なしでは寝てくれない、通う学校も制限があり、育児に疲れた親御さんの手助けとして設けられているレスパイトも児童養護施設も、待機者が沢山いすぎて受入れてくれるまで何十年とかかってしまう。。。結局、親御さんは追い詰められ、鬱になってしまったり、介護の負担に疲れて心中を考えてしまうのです。障害者の生きる権利を奪うことは許されませんが、親だけを責め切れない現実があります。 

 

 

逆に、自閉症者本人が自殺してしまうケースもあります。

 

Case 6】

200211月障害者雇用枠でヤマト運輸の関連会社「ヤマトロジスティクス」に入社した自閉症と知的障害を抱え働いていた男性(当時46歳)が自殺した。会社は上司や同僚に障害について知らせてなく、職場の上司と十分な意思疎通ができず、一方的に減給されたり、勤務時間の変更を告げられたり、精神的に追い詰められた。

 

 

高機能自閉症は、重度の自閉症と比較しても、表面上は健常者との境が微妙なので、周囲からも理解され辛く、専門家であるはずの精神科医からさえも適切な対応を得られず、不等な扱いをされたり、ひどいいじめに遭ったりします。高機能であるがゆえに、「自分と他の人を比べてしまう能力」があり、劣等感にさいなまれますが、精一杯の努力をしても、障害があるので出来る事は限られてしまいます。そして、さらに落ち込んでしまうという負のスパイラルにはまり、ひどい場合は、うつなどの精神的疾患を併発したり、自殺を図るに至ってしまうことも多々あるのです。

 

 

【関連/引用/参考サイト】

自閉症の子を育てるということ-世界中に、Happy を smile を!

RKB神戸金史記者「JNNネットワーク協議会賞及びネットワーク大賞受賞」-かねさんの本宿フォトライブラリー

ニュース]続く無理心中-lessorの日記