【自閉症児を育てる過酷な現実  Hardships of raising Autistic Children

 

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東レ経営研究所社長の佐々木常夫さん Image:G-Search ミッケ!
東レ経営研究所社長の佐々木常夫さん Image:G-Search ミッケ!

仕事か家庭か・・・?二者択一を迫られる女性は今も少なくありません。女性の社会参加の機会は戦後の社会情勢の中で大きく変化し、女性の社会貢献や社会参画の増大とともに、女性の権利について一般的にも理解されてきました。その一方で、女性を取り巻く社会環境にはまだ不十分な点も多く、働く女性が子どもを持った場合、就労と子育てを両立させることは未だに困難な状況にあります。今日の社会では、育児を機に長らく職場を離れると、再就職で同等のポジションでの仕事を得るのは困難であるのが現状です。

 

やりがいのある仕事も幸せな家庭生活も諦めたくない。。。そう考える女性たちは大勢います。しかし、現実では、健常児の育児でさえも、急なこどもの病気で休暇、遅刻、早退をしなければならない状況に会社が理解を示してくれることはあまりないのです。そのため、就労をしている母親には子育ての悩みと共に就労環境からくるストレスが存在しています。ましてや、自閉症児を含めた障害児を抱えた場合、障害の種別や程度、子供の年齢にも関係しますが、障害が非常に重度であったり、虚弱で健康が保ちにくかったり・・・などの問題があり、障害児の養育に手間と時間を要し、そのストレスは計り知れません。

 

20102月上旬、障害児の放課後ケアなどに取り組む仙台市泉区のNPO法人「グループゆう」仙台圏の障害児がいる家庭730世帯に調査票を送付し、201世帯から回答を得た結果、障害児のいる家庭は母親が子どもの介護を担う一方、父親が生計を維持するため長時間働かざるを得ない傾向が強く、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)が進んでいないことが明らかになりました。介護・子育ての主な担い手は、母親が94%を占め、父親は4%。母親の51%は日常生活の中で「介護・子育て」の比重が一番高いと答えたが、父親は「睡眠」が最多の38%。父親の81%は平日、育児や介護に携わる時間が1時間未満しかなかったそうです。


就労状況を見ると、父親の95%が働く一方で母親は35%にとどまり、多くは年収200万円以下のパートタイマーでした。仕事と生活のバランスを取りたいと望む親は多く、父親の40%が残業を減らしたいと思っているのに対し、母親の28%は逆に仕事を増やしたいと望んでいました。仕事と育児を両立する上で問題になる、「子どもの長期休暇中の支援サービス」や「普段の送迎サービス」などの社会の支援サービスが不十分なため、母親が担い手として待機せざるを得ないのが現状にあるのです。

 

日本では、共働き家庭や母子・父子家庭で仕事をしなければいけない小学生の親御さんのために、毎日の放課後(学校休業日は一日)や長期休みの保育をする「学童保育」(現在は「放課後児童クラブ」)と呼ばれる施設があります。しかし、一般に入所できるのは公立小学校児童のみで、養護学校や私立学校の児童は条例で制限があり、入所するのが困難なのです。カナダでは、デーケア(Daycare)と呼ばれるものですが、同じようにいろいろ制限があり、障害児を抱えている親御さんが仕事をするのは容易ではないのです。

 

そのような過酷な状況でも、「ワークライフバランス」の徹底した仕事管理を行い、仕事の成功を収めた達人がいます。東レ経営研究所社長の佐々木常夫さんは、結婚して3児をもうけましたが、長男は自閉症。続いて妻が肝臓病を患い入退院を繰り返すうちにうつ病を併発、何度かの自殺未遂を図ってしまい、その間、育児・家事・看病を一人でこなしながら東京、大阪間を6回の転勤するハードな仕事をこなし、ついには2001年、同期トップで取締役に就任されました。その秘訣は、通勤時間を早め、電車内で仕事をする。デッドラインをもうける、無駄な会議や電話はしないなどの工夫をして、どんな仕事でも手を抜かず努力されたそうです。

 

「仕事と育児の両立」は、親が両親でも片親でも、子供が健常児でも障害児でも、確かに大変なもの。それには、就労環境の充実のみならず、親の精神面でのケア、養育負担を軽減させられるような福祉的なサポートも得られるような保育環境が必要です。意思あるところに道はきっと開けます!!あきらめないで!!

 

 

【関連/引用/参考サイト】

CILたすけっと 自立生活センターin仙台市 

母親のストレスへの支援に対する現状と課題-養育と就労の関係から-伊藤 由美

なぜ養護学校に入ると、学童クラブに行けないの?入所を制限する条例の改正を

武蔵野東小学校の学童クラブ : 武蔵野市議 川名ゆうじ blog

障害児入所施設における育児負担感に関する研究-岩田香織(静岡県立大学短期大学部)

・親からの相談・体験談 [1] [2] [3]