離婚
Divorce
自閉症の子供は 0.1~0.2%の割合で生まれ、「離婚調停・訴訟で、子供が自閉症」と言うケースは、明らかにこれより高い割合です。Autism Linkによれば、アメリカでは「自閉症の子を持つ夫婦の離婚率は80%」と言われていて、 テレビ番組 「Parenthood」でも取り上げられました。片親家庭には手厚い保護が政府からあるわけでもなく、離婚後は、厳しい生活が待っているのにもかかわらず、離婚率は落ちないそうです。2010年5月に出されたBusinessWeekのHealth Day News では、3~17歳の77,911人のデータを検証したとこころ、自閉症の子どもを持つ親の離婚率は64%で、平均の65%と変わらず、自閉症の子どもと親の離婚に関係なしと伝えているところもありますが、Yahoo.comのML内にある「自閉症の夫婦の離婚のグループ」への登録数が1日に100人近いのは、注目するべきところです。
夫婦の年齢が若ければ若いほど離婚に至る傾向が見られるらしいです。勿論、健常児を抱えていても、結婚生活を維持していくことはそう簡単ではありませんが、自分自身もまだ社会経験や人生経験が浅く、精神的にも感情的にも発達途上の中で、障害児の育児という山のような責任と使命を背おう事になるのですから、そのストレスは計り知れません。それと同時に子供の診断を受け容れ、自分が抱いていた子供への期待や将来の夢などを再調整していくなどといった、自分なりの精神的な「対処の仕方」を見つけだしていかなければいけないのです。
一番良くあるのが、「子供が自閉症になったのは、妻のせいだ」と思いこむパターンです。自閉症は、保護者の育て方とか愛情不足とは関係ないのに、夫あるいは夫側の両親が調停や訴訟で「あんな嫁だから、子供が自閉症になった」という非難をし、離婚調停が難航する光景がときおり見られます。夫婦それぞれがお互い相手の立場に立って、お互い辛抱強く相手のニーズを理解する姿勢がないと、自閉症児を育てていくのは大変難しいですが、自閉症の子供に対する接しかたの勉強をすることもなく、なんでも子供の好きなようにさせてしまうタイプ、逆に、子供に全く無関心で妻にだけ完璧な監護を求めたり、極端な例になると、養育を妻と妻の実家に押しつけて逃げようとしたりする夫もいます。
何もかも自分たちでやり遂げようとするのではなく、政府が提供する支援を適度に利用し、夫婦の負担を少しでも軽減することが必要です。
【関連/引用/参考サイト】
・UPI 「80 percent divorce rate for parents of autistic kids debunked」
-自閉症の子を持つ夫婦の離婚率は80%
・CNN Health 「Parents of kids with autism not more likely to divorce, study suggests」
-自閉症の子を持つ夫婦はより離婚しないようだ (上記に対する反論も・・・)