【助成/支援 Subsidies/Support

 

  預貯金 / 年金       
  D
eposit and Saving / Pension    

 

 

 

 

 

 

【預貯金】

利子非課税制度 (国の制度) 国税庁

児童扶養手当・身体障害者手帳/愛の手帳/療育手帳保持者などが対象(その他の対象者)。下記の2種類があり、「マル優」と「特別マル優」は別枠で利用することが可能。金融機関で手続きをとります。

 

  • マル優(障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度)

    定期預金・普通預金・貯蓄預金・通知預金、国債及び地方債の利付債(割引債は対象外)などを対象とし、1人につき元本350万円までに対する利子が非課税に。

     

  • 特別マル優(障害者等の少額公債の利子の非課税制度)

    利付国債と公募地方債のみ(割引債は対象外)を対象とし、1人につき額面350万円までに対する利子が非課税になります。

 

 

ニュー福祉定期貯金制度 (民間の制度) ゆうちょ銀行 - 日本郵政

「児童扶養手当 ・特別児童扶養手当・障害児福祉手当・特別障害者手当」などの手当を支給されている方、「障害基礎年金・遺族基礎年金・寡婦年金」などの年金を受給されて いる方が対象。障害者手帳を保持しているだけでは、利用対象者にはなりません。あくまでも「実際に受給しているかどうか」で判断されます。認定されれば、 通常の定期預金に比べて有利な利息を受けることが可能。ただし、貯金の利用限度額 1,000万円 以内で、1人300万円が上限、期間も1年間限定。ゆうちょ銀行でのみ取扱い。

    

   ※Yahoo Japan知恵袋で、「ニュー福祉定期貯金より有利な福祉定期について」紹介して下さって

    いる方がいます。参考までに・・・

 

 

 

【年金】

 

20歳以上のすべての国民が加入を義務づけられている「公的年金」。公的年金には、自営業や主婦、学生などが加入する「国民年金」、サラリーマンが加入する「厚生年金」、公務員等が加入する「共済年金」があり、だれもが、いずれかの公的年金に加入することになっています。

 

国民年金の免除・減免制度 (国の制度) 日本年金機構

本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が経済的に困難な場合、申請後に承認されると保険料の納付が免除に。免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の四種類。

    ※学生の方はこの制度ではなく「学生納付特例制度

    ※20歳~30歳未満の方はこの制度ではなく「若年者納付猶予制度

    ※配偶者から暴力を受けた方は「特例免除

 

この手続きをせずに保険料を滞納して、ケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合、障害基礎年金遺族基礎年金も受け取ることが、出来なくなることがあるので注意。つまり、年金受取りに必要な最低25年間の保険料支払い期間として、計算してくれるのです。

 

 

年金というと、老後の生活を支える「老齢年金」がすぐに思い浮かびますが、障害年金は、「下記の一定の条件をクリアし・申請時に65歳未満で・20歳以上から受給」できる年金です。

 

障害年金には、「障害基礎年金」「障害厚生年金」「障害共済年金」があり、障害の原因となった病気で初めて病院を受診した日(初診日)に、どの年金 制度の被保険者であったかによって、受給する障害年金の種類が違ってきます。国民年金の被保険者には「障害基礎年金」が、厚生年金の被保険者には、「障害 厚生年金」、共済年金の被保険者には「障害共済年金」が支給されます。厚生年金・共済年金の被保険者は、自動的に国民年金の被保険者にもなるため、障害等 級が1・2級であれば障害基礎年金も併せて支給されます。ここでは、国民年金・厚生年金の被保険者に支給される障害年金について、それぞれの支給要件を説明します。

 

 

障害基礎年金制度 (国の制度) 日本年金機構 障害年金119(発達障害、知的障害の認定基準)

日本年金機構の支給要件には、「国民年金に加入している間に初診日があること・一定の障害の状態にあること・保険料納付要件(初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていることなど)」が記載されていますが、自閉症などの発達障害や知的障害の場合は、20歳以上になってから診断が下りるケースは稀です。多くは、年金義務が課せられる20歳以前に診断を受けているので、保険料を支払ったかどうかという拠出要件は問われません。その代り、「障害認定日(あるいは申請日)の障害程度が認定基準に該当するかどうか」と「所得制限」が判断基準になります。IQの数値や療育手帳の等級は、障害基礎年金の判定には反映されません。

 

 

障害厚生年金制度 (国の制度) 日本年金機構 

「厚生年金に加入している間に初診日があること・一定の障害の状態にあること・保険料納付要件(初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていることなど)」という支給要件、所得制限、障害の等級判断基準は、上記の障害基礎年金制度と同様です。しかし、異なるのは、「自閉症などの発達障害や知的障害のような、20歳前に傷病の初診日がある場合、障害厚生年金は受取れません。障害年金は国民年金加入者の「障害基礎年金」だけです。

 

特別障害給付金制度(国の制度) 日本年金機構

過去の国民年金制度では、大学生やサラリーマンの配偶者の方などは制度に加入することが任意とされていた為、加入しなかった方は、その時期の病気やけがにより障害を負われても、障害基礎年金の給付を受けることはできませんでした。そのような方を対象に給付金を支給する制度が2005年4月に創設されました。「1991年(平成3年3月以前に国民年金の任意加入対象であった学生(注…夜間部、定時制、通信制を除く)」「1986年(昭和61年)3月以前に国民年金任意加入対象者であった、厚生年金等に加入していた方などの配偶者」のいずれかで、国民年金任意加入していなかった期間中に生じた病気やケガが原因で、 現在、障害基礎年金の1・2級の状態にある方が対象。ただし、65歳に達する日の前日までに当該障害状態に該当された方に限られ、障害基礎年金や障害厚生年金、障害共済年金などを受給することができる方は対象外。支給額は、障害基礎年金1級相当に該当する方:2014年(平成26年)度基本月額49,700円(2級の1.25倍)、障害基礎年金2級相当に該当する方:平成26年度基本月額39,760円。※給付金の月額は、前年の消費者物価指数の上昇下降に合わせて毎年度自動的に見直しされます。支給は請求された月の翌月分からとなり、過去にさかのぼっての請求はできません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【預貯金/積立金】

 

Registered Education Saving Plan (RESP) 政府公認学資金積立プラン(国の制度

     Service Canada 

 

義務教育後の進学を考慮して、子どもの学費を貯蓄するための積み立て貯蓄口座。日本にはこのような積立制度はないので、単純に比較することは難しいですが、「子どもの将来の教育資金を積み立てる」という概要だけ見れば、「学資保険」のような感じです。Family plan/Individual (non-family) plan/Group planの3種類から最適なプランを選び、銀行や投資信託会社、ファイナンシャルプランニング会社などの金融機関で、積み立てる人 (Subscriber、一般的に親) と、受取る人 (Beneficiary、子供) の専用口座を開設。最長口座維持期間の36年の間、通常の貯金では得られない、「税金の優遇・政府からの奨学金や補助金(Canada Learning Bond/Canada Education Savings Grant/Additional Canada Education Savings Grant/Provincial Education Savings Incentives)」などのメリットを受けることができます。「開設時の子どもの年齢・開設期間・入金額」にもよりますが、補助金を効率よく得られるようにRESPを積み立てると、生涯最高$9,200もの補助金を得ることができます。

 

障害児向けとして作られた制度ではないので、障害の有無によって内容に差が出ることはありませんが、障害があっても、義務教育後の進学を視野に入れている場合、親御さんには非常に頼もしいプランです。子どもが進学しない場合であっても、下記の年金積立金を「RRSP」に移行したり、(兄弟姉妹がいれば)カナダ政府から受け取った補助金を譲渡することが可能です。他に兄弟姉妹がいなければ、補助金はカナダ政府に返済しなくてはいけませんが、入金した全額は戻ってきます。ただし、開設当初から両親がSubscriberになっていれば、片親が亡くなっても、残った親が継続できますが、片親のみのSubscriberが亡くなってしまうと、RESP積立金はまず亡くなった人の資産として戻ってしまいます。Beneficiaryがいるのにもかかわらず、RESP口座は解消しなければならないルールになっています。

 

 

Tax-Free Savings Account (TFSA) 登録退職貯蓄基金(国の制度

     Canada Revenue Agency 

 

節税を目的として2009年より開始された預金口座。18歳以上のSIN (Social Insurance Number) を持つ個人であれば誰でも銀行で開設が可能。普通の貯金では、当然のことながら、預金金額や運用益(投資利益、キャピタルゲイン)に応じて利子が課税されますが、このTFSA口座の場合、一人当たり年$5000までという制限はあるものの、生涯を通じて税が課されません。RRSP(下記)の方が課税所得を減らせるので節税効果は高いですが、引き出しの際に課税されてしまいます。TFSAは引き出しの際にも引き続き非課税です。障害者専用口座というわけではありませんが、例えば、RESP(上記)よりもTFSAのほうが簡単に現金化できる利点があるので、「RESPの補完貯蓄」としてや、「RDSP(下記)申請は対象外の障害者の将来に備えた貯蓄」として検討してもいいかもしれません。

 

 

 

【公的年金】

 

 Old Age Security (OAS) Pension 老齢年金(国の制度

     Service Canada 

 

税収を財源にカナダ政府が支給する年金制度。保険料を払う必要はないので、収入額には関係なく、65歳以上(2023年4月からは67歳以上)になると支給されます。ただし「申請時にカナダ国籍 or 永住権の保持者であること、18歳以降少なくとも10年間カナダ国内に居住していること(現在の住所がカナダ国外である場合は、カナダを出国の際に、カナダ国籍 or 永住権の保持者であったこと、18歳以降少なくとも20年間カナダ国内に居住していた履歴があること)」という基準を満たす方だけが対象になります。通 常、64歳(2023年4月からは66歳)になると郵送される Service Canada からの書類にて申請手続きを行います。支給年金金額は、カナダの居住年数により異なってきますが、2013年現在の満額は「$546.07/月」です。ま た、低所得者には、課税対象外の Guaranteed Income Supplement (補充所得年金)が毎月支給されますが、毎年申請し直すことが必要で、収入の増減により支給額も変化します。

 

 

 Canada Pension Plan (CPP)  カナダ年金制度(国の制度

     Service Canada 

 

いわゆる日本の国民年金や厚生年金。カナダ国内で年間3500ドルを超える収入を得る18歳以上70歳未満の労働者は、CPPの保険料を支払う義務があります。所得レベルに応じて決められた保険料は、給与所得者は雇用主と折半され、給与から自動的に差し引かれます。自営業者は全額自己負担で支払わなければなりません。どのくらいの期間、どれくらいの金額をCPPに払ったかの積立額に応じて、退職後に受取る年金の金額が変わってきます。CPP の受給額は課税対象。支給額は毎年1月に物価変動に応じて調整され、受給者がカナダ国外に住んでいても支給されます。

 

※このCPP制度の中で、Canada Pension Plan Disability Benefits と呼ばれる「障害者年金」は、CPP の保険料を一定の期間支払った人が、事故などによる障害でいかなる種類の仕事にも就けない状態になった場合に支給される制度ですので、通常、先天的な障害である発達障害者は対象外になる可能性が高いです。例えば、中軽度の就労可能な発達障害者で、「申請の時点からさかのぼって6年間のうち4年間(もうすでに、少なくとも25年間の支払いをしている場合は3年間)継続してCPP保険料を納めていて、長期間に渡る重傷な障害を負ってしまった」状況であれば、申請対象者として認められます。

 

 

 

個人年金/預貯金】

 

Registered Disability Savings Plan (RDSP) 登録制障害積立基金(国の制度

     Canada Revenue Agency 

 

カナダの全ての州で統一された政府公認の障害者のための積立基金。家族は勿論のこと、血縁関係のない友人でも、誰でも積立金に寄与することはできますが、受取対象になるのは、あくまでも「カナダに居住して、有効な Social Insurance Number (SIN) があり、医師によって提出された Form T2201, Disability Tax Credit Certificate がCanada Revenue Agency (CRA) によって認知され、Disability Tax Credit を受けている60歳以下の障害者」です。申込は、取扱いのある銀行や保険会社で、専用口座を開設します。

Canada Disability Savings Grant(年収が$87,123以下の世帯の場合、カナダ政府から積立金$1につき3倍の$3がもらえる助成)と、 Canada Disability Savings Bond(年収が $25,356以下の低収入世帯の場合、カナダ政府から毎年$1000が20年間もらえる助成。年収が$25,356~$43,561の場合は部分助成)が特徴。口座は59歳まで開いておけますが、 GrantBond 支給は49歳まで。さらに、口座開設から10年間経たずに引出してしまうと、せっかく政府からもらった助成金も返還しなければならないので、無駄にならないように、予め最低10年は手をつけない長期スパンで計画をした方がお得です。積立金の年間限度額はありませんが、対象者が59歳になるまでの、一生涯を通 しての限度額は大よそ、$200,000と定められていて、引出さない限り、税の申告の際、収入と見なされないので控除されます。たとえ、生活保護申請が必要になったとしても、財産の対象にもなりません。

口座を自己管理できない対象者は、法的に認められた親権者や擁護者が代わりに管理する ことになりますが、積立金の引出し手続きの際には、(たとえ肉親と言えども)法的に効力のある対象者からの委任状(Power of Attorney や Representative Agreement) が必要になります。

 

 

Registered Retirement Saving Plan (RRSP) 登録退職貯蓄基金(国の制度

     Canada Revenue Agency 

 

名称がリタイアメントとあるので、「老後の貯金」と想われがちですが、税金の高いカナダでの「節税を目的とした貯蓄」として、勤労所得のある71歳までのカナダの納税者であれば利用できます。RRSPの購入(=申込)は、取扱いのある銀行や保険会社で、専用口座を開設しますが、普通口座のように、「いつでも、いつまででも、いくらまででもOK」というわけではなく、下記のような、決まりがあります。


  「いつ」→ 毎年度の入金締切日は、だいたい翌年の2月末~3月上旬

  「いつまで」→ 71歳になる年の12月31日まで(71歳超のシニアはTFSAなら開設可能)       「いくらまで」→ 入金限度額は、タックスリターンの際にもらうNotice of Assessmentに記載

           (その年の所得により変動があるので、個人により異なります)

 

購入額は、毎年の課税所得から控除され、貯蓄基金から生じた利息は引出さない限り課税されません。

リタイアまで待たなくてもいつでも引出せますが、引出した額がその年の収入として加算され、支払わなければいけない税金も増えてしまうことになるので、可能であれば、所得が低い年のタイミングまで待って引出すか、自然と所得が減り税率も低くなる老後に引出す方が、RRSP本来の目的である節税になるでしょう。税金を払うだけの所得がない人は、RRSPを買っても、税金が戻らないので有り難味がありません。そのような人は将来所得が増える年までRRSPの購入枠は、繰り延べておいてTFSAを買うのも選択肢として検討に値します。

 

こちらの制度も障害児向けとして作られた制度ではないので、障害の有無によって内容に差が出ることはありませんが、「RDSP(上記)申請は対象外で、一定の勤労所得を得られる障害者」の場合はご本人名義で開設をしておけば「将来に備えた貯蓄」になります。また、「RDSP申請は対象外で、税金を払うだけの所得がない障害者」のいる親御さんの場合、ご自身のRRSPの Beneficiary(受取人)をお子さんにしておけば、死亡時に残りのRRSP額をお子さんが相続することも可能です。

 

 

※上記の「RESP・TFSA・RDSP・RRSP」は、利用プランによって運用益の差はありますが、いずれも「投資」です。預けたお金を最大限に増やしていきたい人は、「ハイリスク・ハイリターン型のプラン」、出来る限り減らしたくない人は、「元本保証に近いコンサバティブ型のプラン」といった感じで、自分の経済状況・家庭環境・障害のあるお子さんの将来も考慮に入れたプラン選びが大切です。