教育
Education
●障害があって、いろいろなハンディはあるけれど、負けずに頑張って、勉強を続けていきたい
●収入が一般家庭の平均より低くて、教育資金を捻出するのが困難だけど、子どもの夢を叶えてあげたい
このような状況にいる障害児/者とその家族を対象に、さまざまな学費のサポート制度があります。カナダの学生ローン (Canada Student Loans Program) に申請して、一度受給資格の査定をクリアすると、下記の複数の援助を同時に受取ることも可能。嬉しいことに、奨学金のように、返済の義務がないプログラムもあります。
※「Northwest Territories・Nunavut・Quebec」州は、独自の制度があるので対象外
■ Canada Pension Plan (CPP) Children's Benefits
カナダ年金プラン学童給付金 ▶詳細 Government of Canada
「認定された障害を持つ保護者」の「18歳以下の子供/18~25歳の認定された学校や大学にフルタイムで通学している子供」が対象。保護者が障害年金受給者であっても、死亡したとしても、一定の条件を満たしていれば、子供が給付できる可能性がある。給付額は毎年変動があるが、どの子供も同じ月額 $281.72 (2023年度)支給される。通常、18歳未満の子供の分は保護者(保護者が死亡している場合は、子供の法的親権者)が代わりに受取るが、18歳以上は成人と見なされるので子供本人に支給。
新年度毎(あるいは学期毎)に、学校に出席していることを証明する書類「Declaration of Attendance at School or University (ISP1401)」に学校からの署名をもらい、提出する必要があります。給付金は、通常の学校の休校中であれば継続して支給されますが、自分の意思で学校を長期休む場合は、支給が打ち切られ、復学する際に再度、上記の書類を提出。自動更新されることはありません。
■ Canada Student Grant for
Full-Time Students ※
低~中所得世帯の学生助成 ▶詳細 Government of Canada
カナダ学生ローン認定され、前年の世帯所得がカナダ政府が定める最低所得と同じ、またはそれ以下であり、「フルタイムで指定された学校に最低2年間(60週間)」通い、「所得基準で低所得にあたる世帯」の学生が対象。2022~2023年度は、 学費・教科書費用として毎月$375(8か月間)支給。この助成金は、学生ローン申請の際に自動的に査定されるので、特別に申し込みをする必要はない。返金義務はない。※コロナ支援のため、2023年7月までは$750支給。
■ Canada Student Grant for Part-Time Students ※
低所得世帯の学生助成 ▶詳細 Government of Canada
経済的に困窮していて、パートタイムで指定された学校に通い、過去に助成金を受給した学校のコースをキチンと終了していて、「世帯所得がカナダ政府が定める最低所得以下」の学生が対象。2022~2023年度は、年間$1,800まで支給。この助成金は、学生ローン申請の際に自動的に査定されるので、特別に申し込みをする必要はない。返金義務はない。 ※コロナ支援のため、2023年7月までは$3,600支給
■ Canada Student Grant for Students with Dependants ※
低所得世帯の学生助成 ▶詳細 Government of Canada
経済的に困窮していて、フルタイム orパートタイムで指定された学校に通い、「12歳以下(永続的な障害がある場合は12歳以上も可)」がいて、「世帯所得がカナダ政府が定める最低所得以下」の学生が対象。2022~2023年度は、「毎月$200/年間$2,400(フルタイム)毎週$40/年間$1,920(パートタイム)」まで支給。この助成金は、学生ローン申請の際に自動的に査定されるので、特別に申し込みをする必要はない。返金義務はない。※コロナ支援のため、2023年7月までは「毎月$400(フルタイム)毎週$80/年間$3,840(パートタイム)」まで支給。
■ Canada Student Grant for Students with Disabilities ※
永続的な障害を持つ学生への助成 ▶詳細 Government of Canada
「永続的 または 長期の障害障害」がある学生を支援するための助成金。学生ローンの資格を得ていて、フルタイム orパートタイムで指定された学校に通っている学生が対象。2022~2023年度は、年間$2,000まで支給。この助成金は、学生ローン申請の際に自動的に査定されるので、特別に申し込みをする必要はない。返金義務はない。※コロナ支援のため、2023年7月までは$4,000支給
■ Canada Student Grant
for Services and Equipment
– Students with Disabilities
永続的な障害を持つ学生のサービスと備品助成 ▶詳細 Government of Canada
「永続的 または 長期の障害障害」がある学生の特別教育関連費用に特化したサービスと備品(家庭教師・記録係・通訳者・点字タイプ援助・その他技術的な支援)の支払いを支援するための助成金。学生ローンの資格を得ていて、フルタイム orパートタイムで指定された学校に通っている学生が対象。2022~2023年度は、年間$ 20,000まで支給。その学生の状況により、他の助成制度との重複申請も可能。返金義務はない。
■ Canada Student Loans Program - Permanent Disability Benefit
永続的な障害を持つ学生のローン ▶詳細 Government of Canada
「永続的 または 長期の障害」を持ち、「経済的な理由から学費の支払いも、ローン資金を返金することも困難」な状況にいる学生が対象。審査に通ると、認定された範囲内のローン返済を国が代納してくれる。返金義務はない。しかし、この支援制度利用者は、他の支援制度は受給することはできない。
※別の障害者学生ローン「Repayment Assistance Plan for Borrowers with a Permanent Disability」
制度では、返金義務が完全に免除にはならないが、返金額は明白には決まっておらず、あくまでも「出来る範囲で減額される」といった寛大な対応になっている。
■ Autism Program 自閉症プログラム(国・州ごとの制度) ▶詳細 Government of Canada
医療専門家によるアセスメントにより正式に認定を受けた自閉症児には、治療のためのいろいろな
プログラムが作られています。居住している州によって、助成金の額やサービス内容などは異なっていますが、どこの州も「0~6歳」と「6~18歳」で分類されています。自閉症治療には「早期発見・早期治療」が大切とされているため、応用行動分析(ABA=Applied Behavior Analysis)療法に基づき、幼児期に力を入れた内容になっているのです。詳細は下記で確認。
※因みに・・・日本ではこのような制度は (2014年現在では)ないので、 治療に関する費用は全て家族負担になってしまいます。
自閉症・発達障害閑連サイト |
教育 |
自閉症協会サイト |
■ Registered Education Saving Plan (RESP)
政府公認学資金積立プラン ▶詳細 Service Canada
義務教育後の進学を考慮して、子供の学費を貯蓄するための積み立て貯蓄口座。教育支援制度の一環ですが、助成金ではないので、「預貯金 / 年金」のページに記載。
■ Assistance Program for Students with Permanent Disabilities
永続的な障害を持つ学生のための支援 ▶詳細 StudentAid BC
「永続的 または 長期の障害」を持ち、「Grant for Services and Equipment for Students with Permanent Disabilities 制度を限度額まで利用」した、「フルタイム/パートタイムで中等教育後の公立/私立教育機関に通う」学生が対象。審査に通ると、教育関連のサポートや設備費用(生活費・学費・教科書代は除く)として、最高年間$10,000(受講プログラムによっては$12,000)まで支給。
■ BC Supplemental Bursary for Students with Permanent Disabilities
永続的な障害を持つ学生のための追加奨学金 ▶詳細 StudentAid BC
「永続的 または 長期の障害」を持ち、「フルタイム/パートタイムで中等教育後の公立/私立教育機関に通学」し、「中等後教育レベルのコースを受講」する学生が対象。「Canada Student Grant for Students with Disabilities 制度の対象者」として認定され、40%以上の単位数履修している場合は$800、20~39%くらいの場合は半額の$400 が支給される。
■ BC Access Grant for Students with Permanent Disabilities
永続的な障害を持つ学生のためのアクセス助成金 ▶詳細 StudentAid BC
国やBC州の学生財政援助に認定され、「永続的 または 長期の障害」を持ち、「フルタイムで中等教育後の公立/私立教育機関に通学」する学生が対象。年間最高$1,560 (週$30)支給。
■ Repayment Assistance Plan for Borrowers with a Permanent Disability
障害者返済支援 ▶詳細 StudentAid BC
「認定された永続的な障害を持つカナダ居住者」で、「カナダの学生ローンの返済義務がなんらかの事情で守れない経済状況」にある学生が対象。「月額返済金の減額・返金可能額まで返済義務を緩和」することにより、カナダの学生ローンの借金を管理する「カナダ連邦政府とBC州」の統合された恩給制度。
■ Learning Disability Assessment Bursary
学習障害アセスメント費助成 ▶詳細 StudentAid BC
学校の障害閑連サービス担当者から「学習障害を判定するアセスメント」を勧められた生徒への助成制度。「フルタイム・パートタイムで指定された中等教育後の公立教育機関に通学」し、「中等後教育レベルのコースを受講」している「StudentAid BC の学生助成制度に認定された」学生が対象。アセスメント費のため、$1800が支給。
■ SET-BC
(Special Education Technology
British Columbia)
▶詳細 SET-BC Website
BC州文部省(Ministry of Education)の制度。主に下記の障害があるために、 学校のカリキュラム参加が著しく制限されている生徒を対象とした支援。
- 自閉症
- 身体障害(OR 慢性の健康障害)
- 視覚・聴覚障害
- 中~重度知的障害
具体的には・・・
「リーディング・ライティング・コミュニケーション」 をサポートする技術(iPad と アプリ)の貸出しと、「その療育教材を実際にどのように使用していくのか・・・」を生徒本人と教師に教えるトレーニングの提供。
個人で申請することはできず、まずは、学校の先生に相談。「どれほど、我が子にこの支援が必要か!」をアピール。必要性が認められれば、学校側が申請。申請の流れは、画像参考。(クリックで拡大)
ただし、申請すれば、誰でも対象になるわけではなく、申請時の「年間の予算・サポートスタッフの数・地域の合計申請児数」によって判断される。誰の目にも必要としているのが明白である児童であっても、たまたまその地域で申請する他の子どもの数が多いと、 却下されてしまう可能性もある。
一度対象になると、SET-BCが学校のサポートチームと協力して、 生徒の学習目標と現在の支援内容が適合しているのか・・・ を毎年チェックする アフターケアも。 平均で、サポート継続期間5年を過ぎると、 学校側は新しい療育機材やアプリをリクエストして、アップデートするよう。 対象となるのは、義務教育期間の高校卒業時の18歳まで。 申請してから結果が出るまでに、 かなりの時間(6カ月くらい)かかるそうなので、対象となる可能性の高い児童は早めに申込むこと。