居住 & 介助/介護
Housing & Assistance/Care
カナダの障害者のための居住看護型サポートは、以前は大型施設がメインでしたが、人件費や建物の維持費用がかさむことから、2000年前半あたりでは小規模の「Group Home」へ移行。
それも、政府の予算が大幅にカットされたことにより、2010年くらいから閉鎖が相次ぎ、更に小規模の個人宅でのケア「Home- Sharing with a Caregiver」にシフトをされてきています。
■Family support services (=Support Service Agreement)
▶詳細 Ministry of Children and Family Development (MCFD)
トラウマになるような出来事・深刻な病気・事故・家族の死亡など。。。なんらかの家庭の緊急事態で、子どものケアが一時的に困難になってしまった場合、MCFDと提携しているエージェンシーによりさまざまな支援が提供されています。緊急対応なので、最長で6カ月間くらいを目安に。状況によっては、延長も可。
• カウンセリング
• 家庭内でのサポート
• レスパイト
• 子育てプログラム
• 家庭内暴力を目撃してしまった子どもに対するサポート
■Voluntary Care Agreement
▶詳細 Ministry of Children and Family Development (MCFD)
ひとり親で深刻な病気や事故で入院を余儀なくされている・夫婦間のトラブル・親子問題など。。。の事情があり、子どものケアが一時的に困難になってしまった場合、児童保安職員が政府の基準「Child and Family Development Service Standards」と照らし合わせて、子どもの安全を第一に考慮。「上記の Support Service Agreements では対応しきれない」と判断されたら、受けられる一歩踏み込んだ支援。家庭内でなく、家庭外で子どもを一時的に預かってくれます。
最初、担当スタッフと共に、「どのようなサポートが必要なのか、いつくらいに子どもは帰宅できそうなのか」などの詳細プランを話し合います。通常、5歳以下の子どもでは3カ月以内、6歳以上の子どもでは6カ月以内ですが、状況によっては、延長も可。
ここまでは、健常児や障害があっても比較的軽度な子どもへの支援内容ですが、永続的で重度の障害がある子どもを扶養している家族には、自宅での養育を基本とした追加支援(レスパイト・保育士の派遣・看護サポートなど)があります。
■Special Needs Agreement
▶詳細 Ministry of Children and Family Development (MCFD)
医師やその他の専門家が「家庭外での支援が必要である」と判断された場合、地域のMCFD管轄の「Children and Youth with Special Needs (CYSN) 」に連絡。CYSNスタッフと提供可能なケアと支援オプションの中から、状況に適した内容を選んで、プランを練っていきます。最初の契約期間は6カ月。状況に応じて、延長も可。子どもと離れてしまっても、保護者は、あくまでも「legal guardian(=法定後見人・法的保護者)」のままで、育児に積極的に参加し続けることになります。決して、保護者としての養育責任がなくなったわけではありません。
■Adult Day Services 成人デーサービス ▶詳細 Government of BC
障害者や高齢者が自宅で暮らせるように、支援スタッフやコミュニティー活動を提供。多くは地域にある居住看護支援施設と提携して、週に1~2日のペースで行われます。
• 日常介助
• ヘルスケアサービス(特別な看護・リハビリ介助など)
• グループでの治療的レクリエーション
• 健康教育促進
• 栄養管理プログラム
• 入浴プログラム
• 電話での確認
• カウンセリング
• 障害者をケアしている保護者へのレスパイト・情報提供
• 移動介助(申請者による)
■Home Support ホームサポート ▶詳細 Government of BC
できる限り、自宅での自立した生活を送れるように、コミュニティーヘルススタッフが直に介助するホームサポートサービス。通常、数か月~数年の長期間か、退院後や終末ケアのみの短期間、提供されます。
• 日常介護サポート(入浴・整髪・洋服の着脱・移動介助など)
• 栄養管理
• 課題に取組めるように促す
• 排泄介助
• 安全管理(洗濯/家事代行・食事準備)
• 特別な看護・リハビリ介助
• 障害者をケアしている保護者へのレスパイト
■Choice in Supports for Independent Living (CSIL)
自立生活のためのホームサポートサービス選択 ▶詳細 Government of BC
地域保健所から直接助成を受取り、必要なホームサポートを自主的に選択する制度。「雇用主」として、スタッフの雇用・監督から、助成金の使用用途まで、 ホームサポートに関するすべての側面を管理します。もしも、障害者本人が管理することができない場合は、Representation Agreementを作成することにより、代理人が遂行することも可能。助成金額は、アセスメントの結果により、個人のニーズとCSILのガイドラインに照らし合わせて計算されますが、2021年4月現在の最低時給は$33.40。
■Caregiver Respite/Relief 介護人のレスパイトサービス ▶詳細 Government of BC
普段「Home and Community Care Service」を利用している多くの保護者は、友人や他の家族の手助けを借りて、障害者をケアしています。そのような保護者や支援者に、ひとときの休息を与え、コミュニティー活動に参加できるように提供されたレスパイトサービス。「自宅でのホームサポートサービス」をはじめ、「コミュニティーでの成人デーサービス」や「居住施設での短期ケアサービス」などのスタイルがあります。
■Assisted Living 部分介助付き住宅支援 ▶詳細 Government of BC
自立した生活を送れ、判断能力があっても、「身体的・知的・精神的」などの障害により、介助を必要とする方を対象とした「住居・医療・介護」サービス。一戸建て住宅や高層集合住宅の個室から、独立した住居までいろいろなスタイルがあります。
• 日常介護サポート(入浴・整髪・洋服の着脱・移動介助など)
• 1日に2食の食事準備
• レクリエーション(運動・音楽・図画工作・ゲームなど)
• 洗濯/家事代行
• 安全と快適な住空間を保つため、冷暖房を管理
• 24時間体制の緊急時応対
■Group Homes グループホーム ▶詳細 Government of BC
障害やさまざまな症状を抱えた人が集団で暮らす居住看護支援施設。「家事管理・職業的な活動・社会的な人間関係」などの義務をサポートし、出来る限り居住者が自立した生活を送れるように設立されました。多くのコミュニティーには、非営利団体が運営するグループホームがあります。一戸建て住宅から集合住宅までいろいろなスタイルがあり、通常、4~6人の受入れをしています。
■Family Care Homes ファミリーケアホーム ▶詳細 Government of BC
個人宅でのケア。家庭的な雰囲気の中、食事準備・洗濯/家事代行・日常介護サポート(入浴・整髪・洋服の着脱など)を提供。ファミリーケアの提供者になる資格は特になく、未経験者でも「障害者をケアしたい」という温かい気持ちがあり、エージェンシーによる面談・お宅訪問・無犯罪証明書提出などのスクリーニングチェックに合格すればなれます。複数人の障害者のケアをすることも(状況によっては)あります。
■Short-Term Residential Care 短期居住看護支援 ▶詳細 Government of BC
「普段、障害者をケアしている保護者の休息」や「障害者が自立した生活ができるように一定期間の介助支援」を提供する短期(通常3カ月以内)のレスパイトケア。
■Long-Term Residential Care 長期居住看護支援 ▶詳細 Government of BC
さまざまな事情から自宅での家族によるケアが困難になった障害者の長期居住支援。非常に重度で継続的な問題行動がある方、中度から重度の知的障害者、専門家の指導を必要とする身体障害者、合併症がある精神障害者など、一部の介助だけでは生活することが難しい方々が対象。
24時間の看護体制はもちろんのこと、洗濯/家事代行・食事準備・排泄サポートなどの日常生活における支援から、薬物投与・リハビリ・「運動・音楽・図画工作・ゲーム」などのレクリエーションなどの専門的な支援までを提供してくれます。
• 標準的な宿泊施設の提供
• 介護プランの作成
• 医療的サポート(例:リハビリ・社会事業的サービス)
• レクリエーション活動(例:運動・音楽・図画工作・ゲーム)
• 食事介助(医師の指導による特別な食事療法・チューブによる食物摂取・サプリメント摂取を含む)
• 洗濯&家事代行
• 基本的な衛生用品(例:石鹸・シャンプー・トイレットペーパー・特別なお風呂用品など)
• 定期的な医療用品の補充
• 失禁のケア
• その他のサービス(例:認証・緩和ケア)
上記全ての制度に共通する詳細
【利用条件】
・カナダの市民権や永住権を所有していること
・申請時点で3カ月間以上BC州に住んでいること
・19歳以上であること
・医療機関や救急外来、居住型看護施設に代わるケアを必要としていること
・永住的な障害や病気をもっていること
【サービス内容・利用負担費(=client rate)】
・同じ支援サービスでも、個人によって支援内容が異なる
・利用するサービス内容によって、「固定型」と「変動型」がある
・「変動型」は、利用者の「障害の程度・収入・ケアギバーの能力・
周囲へのリスクの程度など」によって異なる
・具体的な費用は、申請者とMinistry of Health とで取決める。
・決定した費用が、家計に著しい負担になる場合は、再度相談して、
見直ししてもらうことが可能。
【申請方法】
個人が直接申請することも場合によっては可能ですが、通常の流れでは、まず、
ソーシャルワーカーやファミリードクターに相談。BC州の保健衛生機関
(Fraser Health /Interior Health /Northern Health /Vancouver Coastal Health/
Vancouver
Island Health Authority)を通して申請。
■Rental Assistance Program 家賃支援制度 ▶詳細 BC Housing
2006年に施行された低所得者のための家賃救済制度。支援金は、「家族の人数・子供の有無・家賃の額・収入・居住地域」から判断され、所得の一部と家賃の合計の差額を援助してくれます。
【給付条件】
・所得が雇用先から支払われ(失業中の場合は、失業保険受給期間でも申請可)
その合計が$40,000以下である
・扶養している18歳以下の子どもがいる(認定された障害を持っている場合は19歳以上でも可)
・全財産が$100,000以下である
・税申告を毎年している
・所得の30%以上を家賃に払っている
・申請時に過去12ヶ月BC州に居住している
・居住者全員がカナダ市民権・永住権を取得している
・生活保護を受けていない
【支援額】どれくらい受給可能か・・・自動計算ページで確認
※支援対象家賃の上限 (2018年~)
Zone 1
家族3人まで - $1,108
家族4人以上 - $1,250
Zone 2
家族3人まで - $1,086
家族4人以上 - $1,136
Zone 3
家族3人まで - $1,067
家族4人以上 - $1,117
■Shelter Aid For Elderly Renters (SAFER)
シニア家賃支援制度 ▶詳細 BC Housing
低所得のシニアのための家賃救済制度。
【給付条件】
・60歳以上である・
・所得の30%以上を家賃に払っている
・申請時に過去12ヶ月BC州に居住している
・カナダ市民権の要件を満たしている
・生活保護を受けていない
・公的補助金支給型住宅やCOOP住宅に住んでいない
・総月収が以下を超えないこと
Zone 1
カップル - $2,750
単身者 - $2,550
Zone 2-3
カップル - $2,666
単身者 - $2,446
【支援額】どれくらい受給可能か・・・自動計算ページで確認
■Subsidized Housing 公的補助金支給型住宅支援制度 ▶詳細 BC Housing
低中所得者(シニア・精神/身体/発達障害者・虐待されている母子など)を対象とした家賃サポートで、必要条件は上記とほぼ同じ。所得制限は、住居スタイルによって、次の5つの種類があります。
● 公営住宅 (Public housing)
BC州には7,800戸の公営住宅と300戸の障害者用のグループホームがある
● 非営利住宅 (Non-profit housing)
非営利住宅団体が大家として賃貸者の選別運営管理する助成住宅
● Co-op住宅 (Co-operative housing)
住人が共同メンバーとして所有管理する住宅で、決断事項や運営における責任、
新規メンバーの選択までを担う
● 家賃補助住宅 (Rent supplements)
上記「家賃助成制度」のように一般の物件に住んで家賃の一部を助成
● 最安値市場物件 (Low end of market units)
通常よりも低家賃または収入計算で家賃を決める一部の一般住宅物件