こんな時どうしたら・・・? バンクーバーサバイバルガイド
Keys to survival in Vancouver
★ケース2★
「Ministry of Children and Family Development (MCFD)」 のサービスに不満があったら・・・?
あなたは・・・
• MCFD のサービスを受けている (or 受ける資格があると感じている)
•「MCFD のサービスを受けている (or 受ける資格があると感じてい
る)誰か」の代弁をしている
あなたは・・・
• アンフェアな扱いを受けている
• 無礼な態度で接せられている
• 担当スタッフから予測することをきちんと説明されない
• プランニングや意思決定において、除外されている
• MCFD のサービスの適任性について懸念がある
• 子どもの人権が破られている
このどちらにも当てはまるのであれば、以下の方法で解決していきます。
Regular Meeting
まずは、関係者と普通にミーティングを持って、とことん話し合います。
それでも、解決しないなら・・・
Resolution
MCFD スタッフと一緒に積極的に問題の解決を探っていきます。(目安となる期間は、通常、30日間。同意があれば延長も可)
Administrative Review
これまで一切あなたの件に関わりを持ってきていない「Review Authority (RA)」と呼ばれる第三者が、問題を調査します。その上で、結論を出したり、場合によっては、提案をしたりします。(こちらも、目安となる期間は、通常、30日間。同意があれば延長も可) この方法は、苦情処理をする過程で、いつでも要求できます。
それでも、解決しないなら・・・
外部の人権擁護団体に相談 ※下記「ヒント」参照
例えば・・・「Ombudsperson オンブズマン」と呼ばれている外部調査機関に介入してもらうことをリクエスト。この機関は、「BC州議会の役員・無所属議員」といった面々の監査役によって、公共のエージェンシーが公正で責任ある態度で、的確なサービスを行っているのか・・・を確認する団体
です。サイトには「professional interpretation services are offered in more than 180 languages.(180種類以上の言語プロの通訳サービス提供)」とあるので、日本語でのサービスもあるかもしれません。
Phone: 1 800 567-3247
Fax: 250 387-0198
話合いを成功に導くためのヒント
早い段階で、「人権擁護団体」に相談
すべての過程において、単独で乗り切ろうとするのは、あまりお勧めしません。ケースによっては、こじれればこじれるほど、MCFD は、保身とも受け取れるような態度を取り、自分達に有利になるように事を運ぼうとするかもしれません。お互いに冷静な判断ができず、解決の糸口を見つけるどころか、感情的になってしまい、水掛け論の袋小路状態になることも。
それを避けるためにも、ある程度話合いを重ねて、進展が見られない場合は、見方になってくれる「人権擁護団体」に相談して、介入してもらうのが良いでしょう。「親族や友達に擁護してもらう」というのもいいかもしれませんが、人選を誤ったり、人数が多すぎたりすると、かえってまとまらなくなってしまい、状況が複雑になっていってしまう危険性もあるので、注意が必要です。
感情的にならない
同じミーティングでも、話し方によって、その方向性が変わってきてしまうこともあります。「キーキー キャーキャー」
一方的に騒ぎ立てる態度は、最も嫌われ、通るかもしれない意見も通りません。
とても難しいとは想いますが、出来る限り「表面上だけでも冷静に、淡々と、論理的に」振る舞うように。
証拠を残す
MCFD と関わって行く過程で、あとあと問題になりそうであれば、すべて記録を残しておくこと。いざ、話し合いになって、問題提起した時に、「そんなこと言ってない」と言われる可能性が大きいからです。でも、これも実は、場合によっては難しいのです。公共機関のスタッフは、そういう状況を想定してか、「Emailよりも、電話を好むから」です。長いメールをタイプするのも時間がかかりますし、面倒な作業はスタッフは避ける傾向があります。なので、手段としては、電話で会話して記録に残したいと思ったら・・・会話の要点をまとめたメールを、こちらが作成して、確認してもらうのもいいでしょう。本当に完ぺきに記録するべきならば、電話での会話も録音する方法もあります。
毎回のミーティングに「Minute」を取る
決して「○分」という意味ではなく、「議事録」のことです。
これも、基本的な目的は上記と同じ。記録をきちんと残すことで、後になって「言った・言わない」という記憶の誤解を避けることができますし、ミーティングの流れがわかり、戦略を練り易くなります。また、カナダでは「スタッフの交代」がやたら頻繁に起こります。「担当として紹介されて、ミーティングに1回だけ出席しただけなのに、次回のミーティングにはもう別のスタッフが来る」なんて、日本人から見たら非常に無責任な事態になることもあります。そうなった時でも、それまでのミーティングの流れが分かれば、いちいち最初から全て説明しなおさなくてもいいというメリットもあります。
話合いをしながら、記録を残していくのは困難だと想うので、ミーティング参加メンバーの誰かに頼んだ方がいいでしょう。しかし、記録係が政府関係者であった場合は、どこまで公平的な立場で記載されているのか・・・がわかりません。政府に不利になるような意見は、脚色されているかもしれないので、内容は、あとでちゃんと確認すること。
「Catch22」に気をつける!
「Catch 22」とは、もともと小説*から来た言葉で、「ジレンマ」や「矛盾している状態」を意味します。
*第二次世界大戦でのアメリカ人飛行士の話。「Catch 22」とは、飛行士のルールの中の一つ。狂気に陥った者は、当然ながら、パイロットとして飛行機を操縦することが出来ません。ましてや、第二次世界大戦での最中なら、飛行機を飛ばすのはさらに危険な事。それでも飛行機を飛ばしたいという者は、気が狂っているも同然です。しかし、「危険なので飛ばしたくない」という理由から、「自分が狂っている」と申し出ても、自ら狂気を意識出来る程度ではまだ狂っているとは認めらず、結局「自分がまだ正常だ」という証拠になってしまい、結果、皆が飛行機を飛ばさないといけなかった。。。という矛盾点をついた話です。(Eigo with Lukeより)
これを政府との話しとどう繋がっているのか・・・というと・・・
なんらかの問題を抱えて、政府と闘った経験が一度でもある方ならご理解いただけると想いますが、長期間になればなるほど、非常に疲労困憊します。勿論、他の紛争でも、「人と争う」というのは、ものすごいエネルギーを消費するのは同じ。できれば、避けたいものですよね。しかし、権力を持っている政府との闘いは、また違ったストレスも加わってきます。全ての政府機関がそうとは言いませんが、闘っているソーシャルワーカーや団体によっては、結構姑息な手段で、追いつめられるという目に遭うかもしれないのです。
例えば、管理人の私の場合は・・・息子を日本からカナダに呼び寄せる準備を何年もかけてしてきているのにもかかわらず、政府は言葉だけで何も仕事をしてくれていないのが判明して、闘いに。時間が経てば経つほど、私はストレスがピークになり、息子と迎えに行くと約束をしておきながら、約束を守れていない状態に申し訳なくなり、鬱状態に陥ってしまったのです。私としては「こういう精神状態になってしまった環境から、一日も早く脱したいので、なんとかしてくれ」という心の叫び・懇願だったのですが、政府はそれを逆手にとり、「そのように不安定な精神状態の母親の元に息子さんを呼び寄せることはできない」という態度に出てきたのです。政府の怠慢で無責任な仕事ぶりが私を追いつめる最大の原因になっているのに!
こういった「出口がない堂々巡りの迷路」のような状況・ジレンマが「Catch 22」なのです。日本の政府であれば、このような「お涙頂戴的な」感情に訴えて闘う方法は、(ある程度は)有効なのかもしれませんが、カナダでは命取りになりかねません。私の周囲にもこの「Catch 22」の餌食になってしまった日本人は結構います。やはり、文化的な違いを知らずに、日本人的な考えで行動をしてしまって、想像もしてなかった落とし穴に陥ってしまった人達です。
これも2番目の「感情的にならない」と同じで、非常に難しいとは想いますが、どんなに論争が激しくなっても、長期化しても、気がおかしくなりかけても、心がボロボロになっていても、「政府関係者と一緒にいる時は、表面上は普通の冷静な人を演じきる」こと。これはとても大事なポイントです!