成人 経済的サポート完全マニュアル
Financial Support Manual for Adults
用意しておくモノ (子ども名義)
► Social Insurance Number
► Birth Certificate
► Canadian Citizenship Certificate
► BCID Card (任意)
■ PWD (BC Employment and Assistance for Persons with Disabilities)
▶詳細 BC州政府公式サイト
通称「PWD」。高校卒業後、「雇用先が見つからない」または「雇用先はあるものの、充分な所得を得られない」など、社会的に自立した生活を送るのが困難な障害者の 生活&医療支援。
「18歳以上で、常に介護や補助器具、介助動物などの支援がないと日常生活を営むことができないくらい 非常に重度な(少なくとも2年以上継続する)機能障害を抱えている」障害者を対象としています。
オンライン申請書「 PWD Designation Application」にて。3か所(applicant information--申請者担当・physician report--医師担当・assessor report--ソーシャルワーカーや精神科医などの申請者が選択した専門家担当)にそれぞれ記載して申請。その後、面接されて決定されます。18歳になる半年前から申請可能。30ページもあり、決定までにも時間がかかるので、早めに申請した方がいいです。
助成内容は、下記の通りですが、「個人の障害の内容・経済状況」によって、実際に受給できる内容は異なります。障害を持っていても、雇用先があり、充分な所得があると判断された場合は、受給対象にはなりません。
以下は、「PWD」受給者に自動的に付帯する Ministry of Social Development and Poverty Reductionn (MSDPR)の様々な経済的なサポートです。
【健康サポート】
• 医療費補償---Medical Services Plan保険料の免除 / PharmaCare制度の控除免責金額免除
歯科($1000上限)& 眼科検査費 助成
• 医療用品(消耗品--絆創膏など)
• 医療用品(車椅子・介護用品・補聴器・杖など)
• マッサージや針治療、理学療法、カイロプラクティック費用助成
• 病状緩和を目的とした特別なサプリメントや栄養補助食品の費用負担
【居住サポート】
• 住居支援
• 雇用サポート
• 引越し費用負担
• 賃貸物件を借りる際のSecurity Deposit負担(返済義務あり)
• Coop住宅利用者のMembership Share(返済義務あり)
【交通費サポート】
• 車の保険料割引
• ガソリン税返金
• BCフェリーパス
• 介助者は飛行機に無料で同乗
• 介助者は公共交通機関に無料で同乗(HandyPass)
• 通院するための交通費助成
• アルコール依存症治療を目的とした通院の交通費
【レクリエーションサポート】
• BC州立公園でのキャンプ無料
• フィッシングライセンス料割引
• レクリエーション/コミュニティセンタープログラムの支援
【その他】
• ガイドアニマルの飼育料負担(月$95)
• クリスマス準備費支援(12月分のみ)
• 学校通学準備費支援
• 緊急事態の経済的緩和支援
♣ ♣ なるほど 豆知識 ♣ ♣
► 月額 $1358.42(単身者)
$2423.50(どちらも障害を持つカップル+子供なし)
$1703.50(障害を持つひとり親+子ども1人)
$2143.50(どちらかが障害を持つカップル+子ども1人)
► 日本の生活保護と異なり、保護者の経済状況は問われない。申請者本人の状況のみ。
► 一度対象者になれば、定期的に再度申請する必要はない。
► $100,000(カップルの場合は$200,000)まで貯蓄が可能。
► 値段に限定のない(健常者の生活保護は$10000までの価値)自家用車や、
不動産も所有していても申請できる。
► 審査に通らなかった場合、理由は「医師による障害の説明が不明確」であることが
多い。判定後、20日以内なら異議申し立てが可能。
► 年 年$15000(片方が障害を持つカップルでは$18000~両方が障害を持つカップでは$30000)の所得まではPWDの減額や支援内容の変更はない。
► 政府機関よりもっと判り易く情報が載ってるサイト(PDF):Disability Alliance BC
■ PPMB (Persons with Persistent and Multiple Barriers to employment)
▶詳細 BC州政府公式サイト
過去少なくとも1年以上継続し、少なくとも2年以上更に継続するとみなされる非常に重篤な健康状態があり、「ホームレス・DV被害・未成年・難民」など、就職するのに困難な状況にいる障害者のための追加所得支援。なんらかの方法で所得があったとしても、月$900(単身者の場合)までは免除されています。
月額$982.92(単身者)
$1516.22(どちらかが障害を持つカップル+子ども1人)
$1572.06(どちらも障害を持つカップル)
$1756.06(どちらも障害を持つカップル+子ども1人)
$1318.58(障害を持つひとり親+子ども1人)
■ Supplements related to Employment Plans
▶詳細 Ministry of Social Development and Social Innovation
就職を目指して、雇用支援プログラムを受講している障害者を対象にした支援制度。月額最大$100(受講料・介助人付きの交通費・テキスト代・書籍代として)、$200(安全着として)、$100(雇用を目的としたボランティアプログラム受講料として)までが支給されます。ただし、36カ月のうち、12カ月間以内のみの期間限定。
■ Confirmed Job Supplement
▶詳細 Ministry of Social Development and Social Innovation
近い将来「PWD」の受給ストップにつながる可能性の高い雇用が決定し、仕事を始めるにあたって「衣類を用意・新しい工具を購入・移動の交通費」など。。。費用がかかってしまう場合、一度きりの「仕事開始準備金」として最大$1000までが支給されます。
■ その他の助成制度 「税控除」「医療」「教育」「雇用」「交通機関割引」「娯楽関連割引」
【Joint Accout ・・・とは?】
共有名義口座のことで、日本にはない口座の種類。親子や夫婦で、二人で一つの口座を作り、子どもが金銭管理ができなくても、親が代わりに管理できる。
【持参するモノ】
●子どもの SIN (Social Insurance Number)
●保護者と子どもの2種類のID (パスポート・運転免許証など)
●子ども本人 (契約の内容が理解できなくても、落書きのようなサインしかできなくても、
申請者本人からのサインが必要なので『必ず連れて行くこと』を忘れずに!!)
【手続きの流れ】
口座を開設する銀行担当者と予め予約を取る
↓ ↓
当日、担当者が用意した申請書 と「Bank Power of Attorney*」に記入して手続き
♣ ♣ なるほど 豆知識 ♣ ♣
► *「Bank Power of Attorney」とは・・・障害がある子どもに代わって、その口座を管理できるようにする承諾書。ただし、全てを管理できるわけではなく、単に「入金 & 引出し」のみ。例えば、「この口座から直接投資口座に送金をする」といったことはできない。
► 自分の口座のように、全て自由に管理するには、「Representation Agreement」という別の法的な書類が必要。
► あまり障害者のファイナンシャルプランニングに詳しくないアドバイザーは、「Joint Account」ではなく、「子ども名義の口座を開設して、親が管理する方法」を勧めることもある。この方法で開設してしまった場合、どちらかが亡くなると、通常だと口座が凍結される。その点「Joint Account」だと、共有名義なので、凍結されない場合が多い。しかも、「亡くなる直前に、他口座から多額の振込みをする」などの明らかな税金対策でない限りは、相続税がかからないことも多い。
【・・・とは?】
「非常に重度で永続的な障害を持っている」とCanada Revenue Agency が判断した人のみに発行する証明。「障害者のための」税控除やいろいろな助成申請に必須となる書類。日本ではまったく同じ制度はないので一概には訳せないものの、「療育手帳の1~2度数に当たる証明」のようなもの。
【対象となる人の条件】
●日常生活の「話す・歩く・聞く・着脱・食べる・排泄」などの行動において、制限がある
●盲目である
●生命維持装置をつけている
【手続き方法】
保護者と医師が書類(Disability Tax Credit Certificate T2201 )を記載し、居住地域の Tax Centre へ郵送。対象になるかは、Canada Revenue Agency の審査次第。
♣ ♣ なるほど 豆知識 ♣ ♣
► PWD (BC Employment and Assistance for Persons with Disabilities) や Canada Pension Plan disability benefits,が受給対象になったからといって、この Disability Tax Credit にも対象になるとは限らない。
► 通常、Canada Revenue Agency の決定には2~3週間を要するが、ケースによっては、2~3カ月になることも。
► この Disability Tax Credit の対象者となっても、一生保証されているわけではない。いつでも Canada Revenue Agency の権限において、対象の取り消しや再申請を命ぜられることもある。
【・・・とは?】
カナダの全ての州で統一された政府公認の障害者のための積立基金。つまり「投資」です。預けたお金を最大限に増やしたい人は「ハイリスク・ハイリターン型のプラン」、出来る限り減らしたくない人は「元本保証に近いコンサバティブ型のプラン」といった感じで、 自分の経済状況 & 子どもの将来も考慮に入れたプラン選びが大切。
【対象となる人の条件】
●Canada Revenue Agency (CRA) に認知された「Disability Tax Credit *上記」 の対象者
●有効な Social Insurance Number (SIN) がある
●申請時カナダに居住している
●タックスリターン(確定申告)を毎年している
●0歳~59歳まで
【手続き方法】
取扱いのある銀行や保険会社で、専用口座を開設
※詳細は・・・「預貯金 / 年金」ページの一番下「各種口座開設方法 & 注意点」を参照
【積立できる人】
家族は勿論のこと、血縁関係のない友人でも、誰でも積立金に寄与することは可能
【他の積立と違うこと】
●年収が$98,040以下の世帯の場合、積立金が黙っていても最大3倍になる !!
(Canada Disability Savings Grant)
●年収が $32,028以下の低収入世帯の場合、カナダ政府から毎年最大$1000が20年間もらえる !!(生涯限度額は$20,000)
年収が$32,028~$49,020の場合も部分的に助成 !!(Canada Disability Savings Bond)
●年間積立可能な限度額は、各世帯毎に異なるので、カナダ政府から送られてくる書類に記載
●非課税
♣ ♣ なるほど 豆知識 ♣ ♣
► 口座は59歳までキープできるが、 GrantやBond支給は49歳まで。
► お金の引出しはいつでも自由。ただし、開設から10年間経たずに引出してしまうと、せっかく政府からもらった助成金も返還しなければならないので、無駄にならないように、予め最低10年は手をつけない長期スパンで計画
をした方がお得。
► 積立金の年間限度額はないが、対象者が59歳になるまでの、一生涯を通しての限度額は大よそ、$200,000と定められていて、引出さない限り、税申告の際、収入と見なされないので免税扱いになる。所得援助を受けていても、減額になる心配がない。
► 口座を自己管理できない対象者は、法的に認められた親権者や擁護者が代わりに管理する ことになるが、積立金の引出し手続きの際には、(たとえ肉親と言えども)法的に効力のある対象者からの委任状(Power of Attorney や Representative Agreement) が必要になる。
► 積立金は、親の老後の生活資金として使用してもいい
► RDSP開設後、Disability Tax Credit (DTC) の対象者でなくなった場合、RDSPの対象者からも外れることになるので、クローズしなければいけない。ただし、「将来再度、DTC の対象者になる」と判断され、医師からの証明書を添えて提出すれば、5年間の延長が認められる可能性も。
► 申請方法などについて詳しく記載されているサイト: PLAN
► RDSPよくある質問:たんぽっぽ公式ブログ「Financial Planning Workshop」
■ Endowment 150 Fund ▶詳細 Vancouver Foundation
【・・・とは?】
RDSPに申込んだ障害者本人、またはその家族に $150 が贈与される1回切りの助成。
【対象となる人の条件】
● BC州に居住している
● 60歳以下で、2008年1月1日以降からBC州政府からの障害者所得支援を受けている
● RDSPを開設し、専用口座に少なくとも$25の入金がある
● 障害者本人が19歳以下の場合、Disability Tax Credit の対象者で、
満額のChild Disability Benefit を受給している世帯
【手続き方法】
専用申請書「[PDF]19歳以下子ども用」「[PDF]19歳以上成人用」に記載
下記の書類を「200-475 West Georgia Street Vancouver, BC V6B 4M9」に郵送
・ RDSP 取引明細書 (6カ月以内に発行されているモノ)
「障害者本人の氏名・ 受取人氏名・口座番号・口座残高・申込日」が記載されていること
・ Canada Child Tax Benefit Notice (子どもの場合)
・ 2008年以降の 障害者所得支援受給証明書「T5007」(成人の場合)