③ 生物医学的・食事療法
Biomedical・Dietary Therapies
■グルテン/カゼイン食品完全除去 GFCF=Gluten/Casein Diet
ノルウェーのオスロー大学カール・ライヘルト教授(Dr.Karl Reichelt)は、20年にわたる研究で、自閉症児の尿中のペプチド(麻薬様物質)の排泄量が高く、その原因は小麦粉や穀物に含まれる「グルテン」と全ての乳製品に含まれる「カゼイン」が消化されない為であることを発見。『カゼイン・グルテン完全除去』する療法で、尿中のペプチドが減るとともに、言語学習能力診断検査が改善する『逆相関関係』を発表しました。
⇒Two Candidate Genes for Autism Identified in NAAR-Funded Research Projects-Autism Speaks
消化酵素の欠乏の為、グルテンやカゼインが消化されずに、漏出の進んだ腸管を通って血流に入り込み、脳内のモルフィン受容体と呼ばれる所で反応します。グル テンとカゼインのペプチドがこのモルフィン受容体を刺激すると、「下痢・軟便・便秘・悪臭便・慢性の腹痛・ガス・下腹部の膨張等直接胃腸障害」を起こすだ けでなく、「感情・認識力・言語・学習・自閉症特有の問題行動(目のコンタクト、睡眠パターン、注意力の持続)」等にかなりの影響を及ぼすのです。
その後、さまざまな専門家により研究がなされ (自閉症の原因・体内環境要因・グルテン/カゼイン」参考)、『カゼイン・グルテン完全除去』することによって、同類の改善成果が得られたことから、GFCFダイエット と呼ばれているこの療法が広まって行きました。
アメリカの権威ある医療機関、メイヨークリニック(Mayo Clinic)でも、通常の投薬療法に加えて取り入れられています。
「アメリカの自閉症研究所(Autism Research Institute=ARI)」が選出した医師、研究者、科学者を集めた集会 DAN!(Defeat Autism Now!)も推奨しているダイエット方法の一つで、雑誌「プレイボーイ」のプレイメイトだった女優で、俳優ジム・キャリーの元妻ジェニー・マッカーシーも、息子さんの自閉症治療にこの療法を取り入れ、(彼女の言葉では)治したそうです。その過程を書いた本を出版しています。
2010年カナダ、バンクーバーで開催された米国小児科学会(PAS)年次集会では、「自閉症スペクトラム障害児1,212人を対象とした研究の結果、約17%が特別食を用いており、半数以上が小麦や乳製品を除いたグルテン・カゼイン除去療法を実行していた」と、報告されました。
グルテンとカゼインの除去は、徐々に行い、100%完全であることが重要です。反応を起こす子供は、ほんの少しでも口にしてしまうと、過敏に反応をし、いい結果が得られないからです。グルテンとカゼインは、アヘンと同じ様な反応を体内で起こすため、除去した時に拒食、多動性症状、不眠症、攻撃的行動等の様な禁断症状があらわれるかもしれませんが、やがてはなくなります(個人差があるので注意)。グルテンとカゼインは、思わぬ食品に入ってしまっている可能性もありますので、慎重な食品の選択が望まれます。
【カゼインの排除】
対象品目が少ないのでカゼインから始める方が比較的楽かもしれません。まず乳製品全部(牛乳、スキンミルク、ヤギのミルク、バター、チーズ、ヨーグルト、乳糖,乳清、乾燥酪製品等)を除去して下さい。これらの目に見える乳製品だけでなく、インスタント食品や冷凍食品、缶詰、ベーカリー食品、スナック菓子などに使用されている隠れた乳製品の排除が必要です。なお、卵やマヨネーズには大体カゼインは入っていません。
市場にはカゼインが入っていない、米、ジャガイモ、大豆で作られたミルク代替製品が売られています。ただし大豆に反応する子もいるので要注意です。ヨーグルトやチーズの擬似製品等もあります。Lisa Lewis博士による1998年版、「特別な子供用の特別な食事」、Special Diet for Special Kidsという本には何百ものグルテンとカゼイン抜きの食事メニューが紹介されています。また、Karyn
Seroussi著作の「自閉症と発育障害の謎を解く」、Unraveling the Mystery of autism and Pervasive Developmental Disorderという本にも色々な食事についてのアイデアが載っています。
【グルテンの排除】
グルテンの場合は、多くの製品の中に隠れていることが多いので、カゼインよりも難しく、苦労すると想います。まず、小麦粉、燕麦、大麦の実、ライ麦、セモリナ粉、スペルト小麦、トリトケール、カムート等の穀物類を避けて下さい。これらの穀類は市販されている殆どのシリアル、パン、小麦粉、ベーカリー食品、ケーキミックスやインスタント食品、人工フレーバー、スパイス、グレービー、ドレッシング等に入っています。白米、玄米、甘米、タピオカ、ポテトスターチ、豆の小麦粉(ガルバンゾーやガルファーバー)ひら豆、とうもろこし、大豆は、穀類代替品として安心して食べられます。
グルテンの場合、特に難しくなる要素に汚染の問題があります。例えば、ケーキミックスの場合、ノンステイック成分が入っていても製品の成分ではないので製品ラベルに表示されていないものがあります。メーカーによってはグルテン抜きの製品とグルテン含有製品を同じ機械を使って製造し、生産ラインの交代時にちゃんと清掃しないことがあります。もし疑わしかったらメーカーに汚染の可能性がないかを問い合わせてSOP(Standard Operation Procedures)標準製造手順書のコピーを求めて下さい.
家庭内の汚染にも十分気をつけて下さい。鍋、まな板、調理器具、皿、カウンター等でも汚染します。グルテンに反応する子供は何百万分の一の量でも反応するのです。まな板に残ったほんの少しの小麦のパンの粉でも深刻な影響を及ぼすことになるのです。完全に100%排除しなければなりません。
【消化酵素サプリメントによる栄養補給】
ペプチダーゼ活性とDPP-IV活性の高い消化酵素の補充も有効です。あくまでも食餌療法に取って代るものではないことを強調しておきます。改善された後、ペプチターゼ酵素を採っていれば再びグルテンやカゼイン含有食品を食べれるようになると誤解されていますが、とても危険な考えです。グルテンやカゼイン抜きの食事療法で良くなっても、それらの食品を食べさせるのは賢明ではありません。
【腸粘膜の治癒と修復】
大々的な集中治療を行い、腸管を癒し、解毒し、栄養不足を解消し、神経と免疫系を修復した後、制限は付くものの再び、グルテン、カゼイン含有食品を食べられるようになった例も何例か報告されていますが、そこまで回復するのには数年はかかるでしょう。
「柿谷カウンセリングセンター」のサイトでは、自閉症児の母親 カリン・セルーシー氏による GFCFダイエットの成功例として、下記のように紹介しています。
グルテンなしの食事にして48時間以内に、1歳10か月のマイルズは初めて固形の便をしました。そしてバランスを保ち、手足の動きが顕著に改善されました。1、2ヶ月後に、彼は話し始めました。
マイルズが3歳になるまでに、彼のかかりつけの医者はみな、彼の自閉症が完全に治った事を認めました。彼は社会的能力、言語能力、自助能力、そして運動能力において、実年齢レベルよりも8か月以上であるという診断を得、普通の幼稚園に、特別な教育補佐なしで入園しました。
しかし、一方では、「対照をとった試験では、この食事療法は行動上の改善をもたらさない。」との見解が2010年5月、University of Rochester Medical Center から報告されました。 ↓↓↓
Popular autism diet does not demonstrate behavioral improvement 19-May-2010
このように、専門家には懐疑的な意見も多々あり、あくまでも民間療法の域を出ていません。日本の脳科学者の澤口俊之氏も「科学の世界ではGFCF食の有効性はほぼ否定されている。GFCF食の有効性は疑わしく、発達障害神話に近い。つまり、神話と断じるのは極論としても、この言説の信頼性の程度はかなり低い。」とオフィシャルブログで述べています。
この療法は、完全な除去が難しく、自閉症児に栄養上の不全をもたらす危険性があるので、親にとっても負担の大きい代替療法です。選択される際には、慎重にされた方がいいでしょう。
【関連/引用/参考サイト】
・セレブの自閉症克服記-ADHD☆LD あんなこと こんなこと
・Gluten Free/Casein Free Diets for Special Kids-Special Learning
・Autism Alternative medicine - Mayo Clinic
・Gluten and Casein-Free Diet for Autism - HELP WITH
・History of GFCF Diet Research - gfcf.com
・グルテンとカゼイン過敏症 - 世界の訓練グッズカタログ『IWANT』
■ビタミン/ミネラル補給 Vitamin/Mineral Supplements
食事代替え療法で2番目に利用率が高い、サプリメントの服用。過去長年 にわたり、栄養の補充が自然な形で自閉症の症状を改善する可能性が主張されてきました。全ての研究者がそのようなセラピー の化学的根拠の有無について合意しているわけではありませんが、多くの保護者及び医師からのサプリメント単体または複数を組み合わせての摂取により自閉症 の症状に改善が見られたとの報告が増加しています。
血液や毛髪、他の組織中のビタミンA・ビタミン B 群(B6・B12)・C・D・E・マグネシウム(magnesium)・亜鉛・葉酸(folic acid)・オメガ3脂肪酸(omega-3 fatty acids)などを含む栄養素が自閉症児では明らかに低値であることがしばしば見られ、それらを補充の必要性を指摘しています。
▲詳細は・・・「自閉症の原因・体内環境要因・栄養/ミネラル/ビタミンの不足 」参考▲
自閉症治療に効果があると言われているサプリメントは、下記の通りです。
【ビタミンA】
脂溶性のビタミンで、「目のビタミン」といわれるほど、目との関係が深いビタミンですが、体の免疫機能のブースターでもあり、ウィルスを殺す働きをします。知能、注意力、集中力の改善、肌の発疹の消失、著しく腸の機能を改善に効果があります。
自閉症児はカロチンからビタミンAへ変えることが難しい場合が多いので、カロチンを含まないビタミンAを選びます。ほとんどの自閉症児は、投与量が多くなりがち。過剰摂取してしまうと、体内に蓄積されやすので、まばらで荒れた髪、まつ毛の脱毛、皮膚の発疹/乾燥、ひび割れた唇などの初期症状が現れた場合、即投与を中止して、様子を見ながら治療をする注意が必要です。
【ビタミンB群・マグネシウム】
ビタミンB群は、エネルギーを作る、皮膚・粘膜の健康を維持する、薬物代謝・糖質・脂質・タン白質などの代謝、 肝臓・副腎皮質・神経・脳・ホルモン・免疫などの働きなど。。。全身各所に関係するビタミンですが、特に「神経ビタミン」と呼ばれ、精神・神経・脳に重要な影響を及ぼします。欠乏すると、低血糖症のように、アドレナリン・ノルアドレナリンなどの「攻撃ホルモン」が分泌されるため、キレやすい、怒りっぽい、イライラする、または抑うつ症状、不安、パニック発作など、様々な精神的な症状が起こります。
心理犯罪学者のA.G.シャウス氏著、大沢博氏訳の「栄養と犯罪行動」によると、ビタミンB群が行動・学習に及ぼす欠乏効果について以下のように書かれています。
B1:疲労、記憶障害、精神的混乱、行動障害、興奮しやすい、衝動性、睡眠障害
(協調性・道徳性を低下させる「道徳ビタミン」)
B2:幼児の脳の成長を妨げる、行動問題
B3:うつ、神経過敏、短期記憶の障害
B6:興奮しやすい、疲労、集中力の乏しさ、気分の動揺、睡眠障害
この中で、特にビタミンB6は自閉症治療に有効とみなされ、1960年代に研究が始まり、イギリスの神経学者 A.F. ヒーリー(A. F. Heeley)と G.E. ロバーツ(G. E. Roberts)が、「トリプトファン負荷テストにおいて、19 人の自閉症児の尿中に異常代謝産物が排泄された11人 にビタミンB6の錠剤30mg タブレットを投与すると、尿が正常に戻った」と発表。(行動に関する研究は行われていませんでした)
ドイツの研究者 V.E.ボニッシュ (V. E. Bonisch)は、1968 年、ビタミンB6を大量投与(1日に100 mg~600 mg)することで 16 人中 12 人の自閉症児の行動がかなり改善され、初めて言葉を話すようになったそうです。
その後、さまざまな機関で研究が続けられ 自閉症が完治したのではないですが、いずれの研究でも、目合わせがよくなる、自己刺激的な行動が減る、周囲により関心を持つようになる、かんしゃくが減る、言葉が増えるなど、非常に広範囲にわたりビタミンB6の効用が見られました。
the Autism Research Institute のニュースレターに掲載された Dr. Bernard Rimlandによる記事「The Use of Vitamin B6, Magnesium, and DMG in the Treatment of Children and Adults with Autism -Chapter11」では、ビタミンB6とマグネシウムの投与で、症状が改善した例が挙げられています。
ある自閉症の男性は、大量に薬物を投与しても全く効き目はなく、暴力的で攻撃的すぎるため、市の3つ目の精神病院から退去を強いられていました。精神科医は、最後の手段として、ビタミン B6 とマグネシウムを投与したところ、即座に平静を取り戻し、その後、好感の持てる、おおらかな性格の自閉症を持つ若い男性になって、歌を歌ったり、ギターを弾くまでに改善したそうです。
*改善例その2
やはり問題行動により、施設から追放寸前になった25歳の自閉症者がビタミンB6とマグネシウム、その他の栄養素を含むサプリメントであるスーパー・ニューセラ(Super Nu-Thera)を試してみると、2~3週間以内に改善が見られ、仕事も認められるようになったそうです。
このように、長期的に副作用がある可能性のある薬物治療に踏み切る前に、≪ある程度≫使用の安全性と効用性が実証されているビタミンB6とマグネシウムを試すべきなのかもしれません。
しかし、ビタミンB6は、ある程度大量に投与(個人差はあるものの Dr. Bernard Rimland によると、ビタミンB6は 8mg/pound (最高1000 mg))しないと効果が見られません。また、マグネシウムを同時に補充しないと、「イライラ・音声過敏・おねしょ」などの副作用を及ぼすことが、アメリカ・ノースカロライナ大学のトーマス・グアルティエーリ他の研究、およびカリフォルニア州のソナマ州立病院のジョージ・エルマン他の研究により報告されました。
⇒[PDF]1987, Vol. 01(4) pp. 3 - Autism Research Institute
ビタミンB6とマグネシウムの高摂取が発達障害者に好影響を与える理由は、明らかになっていませんが、「発達障害者はビタミンB6を有効な形に変化させる能力の欠如」や「多くのビタミンB6を必要とする主要神経伝達物質を作る酵素の欠如」などが仮説に挙げられています。
ビタミンB群については、あるアメリカ在住の自閉症児の親御さんは、ブログ「 アメリカ発 「Autism is Treatable ~自閉症は治療可能~」の実践 にて、このような経験談をお話下さっています。
ビタミンB12注射が"劇的に"効いたと思っているのはしょんしょんだけで はありません。私の身近にいた自閉症児(上の子の幼稚園のクラスメイト)もB12注射のお陰で突然話が出来るようになったと教えてもらっていました。その 話をその子のママから一部始終聞いていたことが、バイオメディカル治療に興味を持つようになった一番のきっかけでした。その後、自閉症学会で知り合った何 人もの先輩ママさん達からも、B12注射の高い効果について何度も聞きました。
Autism Research Institute (ARI)が発表したParent Ratings(自閉症児の親による評価)によると、バイオメディカル治療の中で一番効果が高かった(摂取後"良くなった"と答えた親が多かった)のがキ レーション。803人のキレーションを試した親のうち74%が何らかの良い効果があったと回答しています。その次に評価が高かったのがビタミンB12注射 で、170人の親のうちの67%が"良くなった"と回答しました(2010年10月のARIによるDAN学会、Dr. Dan Rossignolによる講義より)。
しかし、よくよく読んでいくと、同時にいろいろなその他の療法も試されていたの で、「本当にB12注射 だけの効果か・・・」を証明する術はないこと、自閉症児の中にはB12注射をやっても全く効果がない子供も たくさんいるということ が書かれていますので、まだまだB12注射は、「夢のような治療法」ではないよ うです。
【ビタミンC】
脳の働きを助ける物質で、不足すると、抑うつや錯乱などの症状を表しますが、臨床実験でビタミンCの摂取量の増加が自閉症の子供の症状の緩和に効果のあることが示されました。(「投薬」低用量ナルトレキソン療法と超高濃度ビタミンC点滴治療を参照のこと)
【必須脂肪酸 (オメガ3脂肪酸)】
体内で他の[脂肪酸]から合成できないために摂取する必要がある脂肪酸。物質が特定される以前はビタミンFと 呼ばれていました。現在では、ビタミンと総称される多くの物質と比べて必要量が多く必須アミノ酸と同様に主要な体組織構成物質の一角をなしていることや、 古典的な三大栄養素であるタンパク質・炭水化物・脂肪のうち、脂肪分子の構成要素であることが理由で、ビタミンに含めないことが多いです。必須脂肪酸の代表的なものはオメガ3とオメガ6。必須脂肪酸の欠乏はうつ病、マタニティブルー、双極性気分障害(躁鬱)、などのいろいろな病状との関連をもちますが、発達障害児ではオメガ3脂肪酸のレベルが平均値より低いことを示しています。
【硫酸化の不足 ・ フェノール 】
自閉症児には食品に含まれるフェノールという成分に過敏に反応してしまい、消化がうまく出来ず、フェノールの悪影響をまともに受けてしまうケースも少なくありません。
▲詳細は・・・「自閉症の原因・体内環境要因・フェノールへの過敏反応/硫酸化の不足」を参考▲
そこで、以下のフェノールの含有濃度がが高い食品の摂取を一定期間期間禁止し、症状が安定したら、慎重に徐々に元の食生活に戻してみるという療法もあります。(人によっては、食べても症状の悪化にならない場合と、やはりフェノール含有食品を避け続けた方が良い場合とがあるので、観察が必要)
果物: みかんなどの柑橘類 りんご ブルーベリー さくらんぼ ラズベリー いちご いちじく バナナ
グレープフルーツ ぶどう キウイ もも プルーン デーツ(ナツメヤシの実)
野菜: カイワレ アルファルファ アボガド ブロッコリー カリフラワー きゅうり なす キノコ類
ピーマン パプリカ 大根 かぶ ほうれん草 ズッキーニトマト
豆類:アーモンド そら豆 松の実 ピーナッツ ピスタチオ
飲み物:リンゴ酢 アルコール ビール ハーブティー インスタントコーヒー オレンジジュース
お茶 ワイン
その他: 乾燥香辛料 ジャム ゼリー プロセスチーズ しょうゆ お酢 チョコレート
薬または添加物: アスピリン (アセチルサリチル酸/ビタミンB6)
人工着色料 人工調味料 合成染料 安息香酸塩類(清涼飲料等の保存料など)
サリチル酸ベンジル(防腐剤) βヒドロキシン酸(角質除去。例:洗顔料や化粧品など)
サルチル酸コリン(解熱鎮痛薬) ジサルシド(血糖降下作用と抗炎症作用)
フェノール系の健康効果があると言われているモノ:ポリフェノール、フラボノイド、カテキン、ルチン、イソフラボン、セサミン、タンニン、アントシアニン ウコンの一部成分もポリフェノール
その他の主なフェノール類:
・フェノール : 親化合物。消毒剤や化学合成に用いられる。
・ジブチルヒドロキシトルエン (BHT) : 脂溶性の抗酸化剤、食品添加物。
・ビスフェノールA (BPA) : 合成樹脂の原料。内分泌攪乱化学物質。
・クレゾール : コールタールやクレオソート油に含まれる。
・エストラジールなどのエストロゲン : ホルモン。
・オイゲノール : クローブの精油の主成分。
・没食子酸 :
多くの植物に含まれる。水溶性タンニンの基本骨格。
・グアイアコール : 焙煎したコーヒー豆、ウイスキーなどに含まれるにおい成分。
・ピクリン酸 : 爆発物。
・フェノールフタレイン : 酸塩基指示薬。
・セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン : 神経伝達物質。
・チモール
: うがい薬に含まれる殺菌剤。
・チロシン : アミノ酸の1つ。
・カンナビノイド : 大麻に含まれる成分。
・ジエチルスチルベストロール : スチルベン骨格を持つ合成エストロゲン。
・L-ドーパ : パーキンソン病の治療薬。
・サリチル酸メチル : シラタマノキ属の精油に含まれる。消炎剤、鎮痛剤に用いられる。
・プロポフォール : 点滴静脈注射で投与される麻酔剤。
・シロシン : シビレタケ属のキノコに含まれる、幻覚剤の効果を持つアルカロイド。
・サリチル酸 :
鎮痛薬、解熱薬、抗炎症薬としての効果を持つ植物ホルモン。アスピリン(アセチルサリチル酸)の前駆体。
その他の方法は・・・
・硫黄分を含んだサプリメントで補給
・フェノールを分解する消化酵素を食べ物にあらかじめ混ぜ摂取
・フェノールは体内で硫酸塩や硫黄と結合され、体外に排出される為、硫黄の多い食品を摂取
(大豆、にんにく、アスパラガス、たまねぎ、ねぎ、にら、卵、肉類など 熱をあまり通さない方が良い)
ビタミンやミネラルの大量摂取は、身体に有害となる場合もありますので、治療を開始するにあたっては、専門機関で血液検査をして栄養状態を把握しておく必要性があります。自己判断ではなく、医療専門家のアドバイスの基で行ってください。
【関連/引用/参考サイト】
・Assessment of Infantile Mineral Imbalances in Autism
・あなたの子供を成功に導くCHQの法則/栄養のおはなし/京都南カイロプラクティック研究所
・生物医学的療法と食餌療法の概要 - 世界の訓練グッズカタログiwant
・米国で増える自閉症児、求められる代替医療 | 大和薬品株式会社
・Gluten Free/Casein Free Diets for Special Kids-Special Learning
・Autism Alternative medicine - Mayo Clinic
・[PDF]自閉症スペクトラム障害の発症脆弱性と環境
・[PDF]自閉症の環境要因 - 国立保健医療科学院
・Combined vitamin B6-magnesium treatment in autism spectrum disorder.- A Brice
・List Of Research For Magnesium As An Autism Treatment-Ultimate Autism Guide
・自閉症スペクトラム - ミネラル検査で健康生活
・ビタミンB6とマグネシウムの高摂取-発達障害って治る?
・ビタミンB6とマグネシウムの研究-ASDNews International: 海外自閉症情報
・Summary of Biomedical Treatments in Autism - Autism Society
・[PDF]Dr. Rimland's Favorite Supplements: Vitamins B6 & C, Magnesium and DMG
・[PDF]1987, Vol. 01(4) pp. 3 - Autism Research Institute
■胃/腸内環境を整える Gastrointestinal Environment Maintenance
バクテリア Bacteria
「重度の強迫性障害 (OCD) と注意欠陥・多動性障害(ADHD)、消化不良がある10代の少女に非常に強力なプロバイオティクスと抗生物質を投与。腸内の良い細菌を増やす治療を行ったところ、治療開始6カ月後には、精神疾患の症状が改善されはじめ、1年後には全く見られなくなるように。3年が経った現在でも、再発もなく、普通高校に通学している。」こんな報告をしたボストンの精神科医 Dr James Greenblatt氏。
▲原因の詳細は・・・「自閉症の原因・体内環境要因・バクテリア」参考▲
このように、プロバイオティクスと抗生物質の投与で、症状が大幅に緩和されるケースもあるようですが、具体的に「どんなプロバイオティクスなのか・・・」という治療方法については、何も示されていません。
プロバイオティクスというと、すぐに思い浮かべるのがヨーグルトや納豆ですが、それらを大量に摂取すればいいという単純なものではないようです。2010年11月25日号「Nature-The new germ theory(新・細菌論)」によると、『1種類の菌だけ摂っても体には定着しない。そうではなくて、腸内細菌を集合体として考えなければならない』そうです。つい数年前までは、腸内環境を整えるためには1つの乳酸菌やビフィズス菌を食べれば良いと考えられていましたが、腸内細菌のパターンは、顔や性格のように、1億人いれば1億のパ ターンがあり、ある特定の菌だけが強くなっても、かえって「臓器」と しての機能を乱してしまう結果になりかねないようです。1000種類もある腸内細菌のバランスを考慮しなくてはいけないそうなので、プロバイオティクスによる治療を困難にしている理由のひとつですが、それでも「腸内環境を整える」ことも頭に入れておく必要はあるでしょう。
【関連/引用/参考サイト】
・精神疾患の原因が腸内環境の検査でわかる?自閉症と腸内環境-カラダノート
・腸内細菌と腸管免疫 : ライフサイエンス 領域融合レビュー
・グレートプレインズ研究所-自閉症 - Great Plains Laboratory
・Eat more yogurt! Low levels of healthy gut bacteria could be the cause of mental health issues such as 'anxiety and schizophrenia'-Mail Online
酵母(イースト)Yeast
1995年、カンザスのウィリアム・ショー博士(Dr.William Shaw)が、自閉症も含む異常な症状のある患者の尿を検査して、「菌性の代謝産物(イーストの老廃物)」の割合が 異常に高いことを発見し、「The Journal of Clinical Chemistry Vol.41, No.8」で発表しました。
▲原因の詳細は・・・「自閉症の原因・体内環境要因・酵母菌(イースト)」参考▲
酵母菌が繁殖すると、個人差はありますが、下記のような症状が出る場合があります。
言葉数が少ない / 多動 / 意味のない笑い / 叫ぶ /
睡眠障害(夜中に起きたり、なかなか寝ないなど)
つま先歩き(便がペースト状、便秘に多い)/ かんしゃく / 攻撃的行為 / 物を口に入れる
スティミング(手をひらひらする、意味のない音を発するなどの常同行動)/ 頭痛 /
下痢
自傷行為(頭をぶつける、叩く)
酵母菌はやっかいなもので、時に検査でも発見されなかったり、一見健康そうな便にも酵母菌が見られる場合もあるようですが、実際に、自閉症をはじめ、ADD/ADHDを持つ子ども達にカンジダ菌の治療をしたところ、問題行動や集中力に改善が見られたケースも沢山いるそうです。
対策としては・・・炭水化物(米・芋類・パン・コーンなど)、砂糖、果物、ジュース、酢、チョコレート、麦芽、チーズ、醤油、ピーナッツ、きのこ類、硫黄の多い食品の摂取を控えること。摂取前との体調の変化を観察してみます。
【関連/引用/参考サイト】
・Yeasts and Fungi: How to Control Them By Dr. William Shaw
・Autism Treatments: Anti-Fungal Treatments
・Autism and Yeast Overgrowth - BioActive Nutrients
・What
Is Yeast Overgrowth? - Talk About Curing Autism
・Medical Testing for Autism, Asperger's Syndrome, and PDD-Autism Asperger's Digest
消化酵素/亜鉛の補給 Digestive
Enzymes/Zinc Supplement
▲原因の詳細は・・・「自閉症の原因・体内環境要因・消化酵素/亜鉛の欠乏」を参考▲
消化酵素のサプリメントとして注目をされているひとつが、Houston Enzyme社が製造販売している『Trienza (トリエンザ)』です。Trienzaには、酵素の一種であるCellulase (セルラーゼ)以外の全ての消化酵素が含まれており、有害になり得るほとんどの物質(タンパク質、炭水化物、デンプン、脂肪など)の分解と、消化・吸収を助ける作用をもた らします。結果、腸内の健康と免疫機能が改善され、アレルギーの発生も抑えられて、自閉症の症状が緩和されると考えられています。上記の「グルテン/カゼイン/フェノール ダイエット」などを実行されている場合でも、完全に有害物質を摂りきることは難しいので、消化酵素のサプリメントで腸内環境を整えることが重要とされています。
まだ何も自閉症の治療として確証を得ていない療法ですが、自閉症児を育てている家族がネットで症状の改善を報告しています。(日本では、それほど浸透していないのか、2014年の時点では、情報があまりありませんでした。)
*アメリカ発 「Autism is Treatable ~自閉症は治療可能~」の実践
*Digestive Enzymes | Healing Autism & ADHD
*Yeast Die-Off | Journey Towards Recovery for Skyler
*trienza «Treating Autism Treating Autism
*AutismWeb Forum • View topic - Tell me about TriEnza!
【関連/引用/参考サイト】
・Digestive Enzymes: What's In YOUR Stomach?
・Autism and the Gut: Houston Study - AGE OF AUTISM
・Enzymes for Autism and Other Neurological Conditions (Updated Third Edition)
・Drew's Autism Recovery Diary: Supplement update