妊婦の血液から胎児のダウン症などの染色体異常を調べる新型出生前診断が昨年4月に導入されてから1年間のデータを、検査を行う病院でつくる研究チームが 27日発表した。検査を受けた7740人中、142人(1.8%)が染色体異常の疑いがある陽性と判定され、113人が羊水検査などで確定。うち97%に 当たる110人が人工妊娠中絶を選んだ。残る3人のうち2人は流産した。他1人はダウン症と分かったが、出産を決め妊娠を続けている。
中絶率は海外での報告をやや上回った。チームは「検査を受ける人がまだ少なく、問題があれば中絶しようと考えている人が受けた結果ではないか」と分析。障害者を支える社会福祉制度の少なさが出産したいという考えを妨げないよう、制度の充実も必要だとした。
昭和大の関沢明彦教授は「妊婦は悩んで、やむを得ず中絶を決めている。安易に考えているのではない」と話した。
妊婦は平均38.3歳。検査を受けた理由は、高齢妊娠が95%を占めた。確定した染色体異常の内訳はダウン症が70人、重い心疾患や発達の遅れを伴う「18トリソミー」が34人、「13トリソミー」が9人。
陽性判定を受けたが実際には異常がなかった人は13人いた。陽性と判定された人が実際にダウン症だった確率は約95%。他の2種類の染色体異常では約 80%だった。一方で検査結果は陰性だったが、この検査では分からない心奇形や水頭症などが後に判明した人は4%。妊婦の年齢から考えれば通常の割合だという。
【News Source:2014.6.27 時事通信】
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