発達障害への理解度の低さ浮き彫り 親「育て方が悪いと言われた」【JAPAN】

「子供の発達障害は育て方が悪いせい、と言われた」-。障害者の就労支援を行っている「ウイングル」(東京都目黒区)が発達障害のある子供の保護者を対象 に今春実施したアンケートで、このような回答がほぼ半数を占めた。同社は「発達障害への理解度の低さが浮き彫りになった」としている。

調査対象は、発達障害のある子供や発達が気になる子供を持つ家族向けに、同社が運営するコミュニティーサイトの会員330人(男性31人、女性 299人)。このうち、子供が発達障害と診断されたことがある保護者は246人だった。診断されたとき、「自身の育て方に原因があると思った」と回答した 保護者は49・2%とほぼ半数。内訳は「とてもそう思った」が34・6%、「ややそう思った」が14・6%だった。

 

発達障害と診断された子供の保護者の47・6%が「自身の育て方に原因がある」と周囲から指摘されたことがあると答えた。同社は「発達障害は先天的な脳機能障害が原因だが、正しい知識が不十分で、保護者が必要以上に自分を責めてしまう状況になりがち」と分析した。

 

発達障害に対する周囲の理解については、「理解されていると感じる」と回答した保護者は、「十分されている」「ややされている」を合わせても30・ 5%にとどまった。一方、「理解されていないと感じる」とした保護者は、「全くない」「あまりない」を合わせて39・0%だった。

 

調査は一般の20~60代男女300人に対しても同時期、インターネットで実施。127人(42・3%)が、発達障害について「具体的な特徴も含めて知っている」「ある程度の特徴も含めて知っている」と回答した。

 

この127人に発達障害が起こる原因(複数回答)を尋ねたところ、「生まれつきの脳の発達が影響している」と回答した人が84・3%で最も多かった。

 

ただ、「親の育て方やしつけなどの家庭環境」「幼少期の教育環境」と答えた人もそれぞれ20・5%、26・0%と少なくなかった。

 

2014.5.21 産経ニュース