リスクは普通体重群の約2倍
ノルウェー国立公衆衛生研究所(Norwegian Institute of Public Health)などが行った研究により、自閉症圏障害(自閉症スペクトラム障害、ASD:autism spectrum disorders)発症リスクと父親の肥満との関連が立証された。報告は4月7日、電子版の米国小児科学会(AAP:The American Academy of Periodontology)雑誌「ペディアトリクス(Pediatrics)」に掲載された。
母親の肥満、関連は低い
同研究では、ノルウェーの母親と子どもに関する集団ベース前向きコホート研究対象から、4.0歳から13.1歳の小児92,909例について、追跡調査を行った。
追跡の結果、母親の肥満については、自閉症性障害リスク/アスペルガー症候群/特定不能の広汎性発達障害リスクを全て含めた場合のみ、低いレベルの関連がみられた。
父親の肥満、自閉症性障害/アスペルガー症候群リスク増と関連あり
父親の肥満については、自閉症性障害と、アスペルガー症候群の各リスク増加との関連を得た。
自閉症性障害リスクについては、BMI≧30の父親で0.27%(9,267例中25例)であったのに対し、BMI<25の父親は0.14%(41,603例中59例)であり、調整オッズ比は1.73(95% CI:1.07~2.82)となった。
アスペルガー症候群リスクに関しては、今回は7歳以上の症例分析に限られるが、BMI≧30の父親で0.38%(4,761例中18例)であったの に対し、BMI<25の父親は0.18%(22,736例中42例)であり、調整オッズ比は2.01(95% CI:1.13~3.57)となった。一方で広汎性発達障害との関連は得られなかったという。
報告は、今回立証された関連について、遺伝学およびエピジェネティクスの観点による、さらなる研究の必要性を指摘している。
まだコメントはありません。