自閉症テーマに 映画の上映やトークショー【北九州】

障害のために対人関係がうまく築けない「自閉症」の人への理解を深めてもらおうというイベントが6日、小倉北区の北九州国際会議場で開かれた。自閉症を題 材に市が昨年度制作した映画「秋桜(コスモス)の咲く日」が上映され、出演者で俳優の大野拓朗さん(25)が「障害にかかわらず、違った個性を受け入れる 社会の土壌を育てたい」と語った。

映画は、特別養護老人ホームに勤める自閉症の青年が、初めは職員の指示を理解できなかったりしてトラブルになるが、次第にその純粋さが受け入れられていく物語。

 

市民ら約300人が参加。上映後のトークショーで、高橋浩監督は「人と目を合わさないといった、自閉症の人特有のしぐさや行動を撮ることを意識した」と説 明。脚本家の山上梨香さんは「障害がなくても、コミュニケーションが苦手という人は多い。相手を理解しようと努力することが大切です」と訴えた。

 

大学で福祉を学んだという大野さんは、専門書を読んだり、自閉症の人たちと交流したりして役作りに励んだとか。「作品を見て、心が優しくなってもらいたい」と笑顔で呼びかけた。

 

2014.4.16 西日本新聞朝刊