大人のADHDの人が忘れ物をしない工夫【JAPAN】

2階のベランダに干している洗濯物を取り込むつもりで階段を上っていたのに、その先で目に付いた出しっぱなしの掃除機を片づけているうちに、当初の目的を忘れてしまう……

こんなことはありませんか? これはごくごく普通に誰にでも見られる「忘れる」という現象です。この現象について、当初の目的を忘れてしまったのは「記憶力が悪い」のが理由だと多くの人はいうでしょう。もちろん、それも関係します。しかし、もうひとつ忘れてはならないのは「注意の持続困難」です。

階段を上る際には、実にいろいろな情報が飛び込んできます。階段の埃が気になるかもしれませんし、ギシギシときしむ音が「最近大きくなってきたなぁ」と気になるかもしれません。窓の外に目がいけば遠くに雨雲が見えて、これからの天気が気になるかもしれません。

こうした多くの情報に注意をそがれることなく、当初の目的を果たすことができて初めて「無事、目標達成!」というわけです。つまり、記憶力よりもむしろ「他の刺激にとらわれることなく、いかに目的に集中し続けていられるか」が大切になってくるのです。

 

「注意力」といえば……そうです、大人のADHDの大きな特徴でした。大人のADHDの方の忘れっぽさの一因が、この「注意の持続困難」なのです。

このことは、たとえば

  • 明日持っていくものを忘れないようにする
  • やるべきことを、あらかじめ決めた計画どおりに実行する

ようなとき、つまり「実行」段階に大きな影響を及ぼします。

前回までに、大人のADHDの特徴に応じた「やるべきことを覚えている方法」や「計画の立て方」についてご紹介しました。これまでにご紹介した方法は、情報処理のおおまかな枠組み(→この記事を参照してください)で分類すると、「入力」および「計画」の段階に関するものでした。

 

今回は「実行」段階におけるコツについてご紹介いたします。

 

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