言葉を絵に書き買い物に挑戦…自閉症の人を支援【青森】

自閉症などで言葉によるコミュニケーションが難しい人々の買い物を支援する新たな試みが今月、青森県弘前市の中心商店街で始まった。

 

欲しい商品や個数、金額を簡単な絵にしたカードを持ち歩き、店員に提示する「PECS(ペクス)」という仕組みを活用。市のモデル事業として自閉症の人が買い物を体験する。県内初の取り組みという。

 

年末の買い物客でにぎわう弘前市の中土手町商店街。事業初日の21日、弘前中央食品市場内の食品店「ボヌール」に自閉症を抱える女子高生が模擬体験 のため来店した。男性店主に「クレープ」「ひとつ」「ください」とそれぞれ書かれた手のひらサイズのカード3枚を差し出す。「120円になります」と答え る店主に女子高生が渡したのは1円玉。店主が100円玉と10円玉の描かれた別のカードを指さし、もう一度金額を伝えると、生徒は120円を支払うことが できた。

 

自閉症の人は情報を聴覚よりも視覚で理解するほうが得意とされ、言葉での意思疎通が難しい場合がある。そのため、商品を描いたカードを店員に提示することで買い物をスムーズに行うことができる。

 

この試みは同市のモデル事業として今年度採択され、「あおもりPECS研究会弘前支部」が実施。「紀伊國屋書店 弘前店」や文房具店「平山萬年堂」といっ た中心市街地の6店舗が協力して始まった。来年2月まで、自閉症などの中高生や成人が月1回模擬体験を行い、実際に運用するための課題を探る。将来的には 協力店舗を広げ、障害者の自立を手助けしたい考えだ。

 

初日は市内の中高生3人が参加。約1時間ほどで5店舗を回り、それぞれカードを使っ てお目当ての本やお菓子を購入した。参加者2人が母親に贈る赤いチューリップを買った花店「あべフローリスト」の阿部昌士さん(40)は「PECSを使え ば金額を伝えやすくなる。障害を持ったお客さんに対応する第一歩を学んだ」と手応えを感じていた。

 

あおもりPECS研究会の太田真代表は「PECSは言葉の得意な人とそうでない人が共生するための仕組み。事業はお互いの出会いのきっかけづくり。今後、PECSを使う店舗が増えていってほしい」と語る。 

 

PECS  1985年に米国で開発されたコミュニケーションの仕組み。名詞や動詞などを絵と言葉で書いたプラスチックカードを冊子に接着テープでまとめており、利用 者は適宜カードを取り外して用いる。日本でも2006年から使用が始まり、県内では特別養護学校や障害児の放課後デイサービスで教育の一環として使われている。

 

2013.12.24 読売新聞

 

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ピラミッド教育コンサルタントオブジャパン

 

 

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