フランスでこの秋に開かれた日仏両国の芸術祭「パリ・アートタイル至宝祭」で、各務原市緑苑南、荒井博子さん(43)が書道部門の最高賞の芸術大賞を獲得した。荒井さんは十九日、各務原市役所を訪れ、浅野健司市長に喜びを報告した。
作品は「花」。ペンキ用のはけを筆代わりにして富山の五箇山産の手すき和紙に勢いよく書いた。芸術祭では十五センチ四方の陶製タイルに転写されてパリのベルシー地区の美術館で展示され、永久収蔵される。
自閉症で、幼いころから書道が大好きだった。現在も各務原市内の小規模授産所で働きながら、毎日のように筆を握っている。猫じゃらしやすすきを束ねて筆を作ることも。今回の「花」は、ゴッホの絵を見た直後に下書きもしないでに書いた。
二〇〇九年以降、ギリシャやオランダ、ハンガリーなどの国際美術展で相次いで入賞。だが、賞への執着はない。浅野市長に「パリはどうだった?」と聞かれ、「良かった」とひと言。次に何を書くかは「分かんない」。でも「これからも頑張ります」とおどけてみせた。
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