ダウン症薬、初の治験へ…生活能力低下を抑制【JAPAN】

思春期以降のダウン症の人に見られる日常生活能力の低下を抑えることを目指す初の臨床試験(治験)を、製薬会社「エーザイ」(本社・東京都)がアルツハイマー型認知症治療薬を用いて始める。

効能が認められれば初のダウン症薬となる。研究が遅れている成人期ダウン症の人の生活の質を高める可能性がある。

薬は、1999年から、認知症治療薬として広く使われている「アリセプト」(一般名・塩酸ドネペジル)。治験は8月から全国10病院で、能力低下症状の見られる15~39歳のダウン症の人数十人を対象に行い、3~4年かかる見通し。結果を踏まえて厚生労働省がダウン症の症状を抑える薬として認めて良いか審査する。

2011年の厚労省研究班報告書によると、中学を卒業した年齢以上のダウン症の人の6%で、動作が緩慢になる、睡眠障害が起きる、会話が減る、閉じこもるなど、短期間のうちに、これまでできた日常生活ができなくなる症状が表れる。

 

2013.6.29 読売新聞