大阪体育大学(熊取町)が開催している子ども向けの運動教室が好評だ。参加費が無料(傷害保険料は必要)なうえ、運動が苦手な子や発達障害を持つ子に対し、学生たちがマンツーマンで目を配る指導に、「子どもに運動の楽しさを知ってほしい」と考える親たちの間で人気になっている。(北口節子)
5月下旬。夕方になったばかりの大学構内に、母親に手を引かれた幼児が次々とやってきた。行き先は、毎週木曜日に行われる「子ども運動教室」。将来、スポーツの指導者や教員をめざす学生たちが先生役となり、約1時間、柔軟や屈伸といった準備運動から、ボール投げや鉄棒などを教えてくれる。指導はほぼマンツーマン。現在は2歳から7歳の子どもたち23人が参加する。
教室では、子どもがうまく課題をこなせると、笑顔の先生たちの拍手やハイタッチが出迎える。初めは硬い表情の子どもも、顔なじみの先生から名前を呼ばれたり、ゲーム感覚でボールを投げたりするうちに笑顔になっていく。
歓声を上げながらボールを投げる長男晴紀ちゃん(4)を見つめていた、熊取町の前田仁美さん(33)は「公園に行っても同年代の友達が少なく、どうしても部屋の中の遊びばかり。初めはぐずる日も多かったけれど、最近は教室が待ち遠しいみたい」とうれしそう。4月から、長女結名さん(7)を連れてきている野上千春さん(38)も「運動が出来ない子にも話しかけてくれるので嫌がらずやれている」と目を細めていた。
子どもの体力作りの必要性が全国的に叫ばれているが、運動が苦手だったり、注意欠陥・多動性障害(ADHD)といった発達障害を持っていたりする子どもは、多数の生徒が集まる民間スポーツクラブでは、プログラムについていけない場合がある。教室は、こうした子どもたちの受け皿にと、同大学健康福祉学部の金子勝司准教授(42)らが企画。実践が足りない学生たちが、経験を積む場にもなっている。
昨年7月にスタートしたが、現在は定員いっぱいの状態で、キャンセル待ちも出ているという。秋には新たに第5期生を募集する予定。金子准教授は「今後は、重い障がいの子どもも楽しんで学べる機会を設けたい」と話している。
問い合わせは、金子准教授の研究室
(072・479・3908、s‐kaneko@ouhs.ac.jp)へ。
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