文部科学省は5月14日、平成24年度特別支援教育に関する調査の結果について発表した。調査によると、全体として体制整備が進んでいる状況がうかがえるが、小・中学校に比べ、幼稚園・高等学校は依然として体制整備に遅れが見られることがわかった。
調査期日は2012年9月1日で、国公私立の幼稚園・小学校・中学校・高等学校および中等教育学校を対象として実施した。
年度別推移としては、全調査対象の合計が、「実態把握の実施」を除いては、比較できるすべての調査項目で平成23年度を上回っており、全体として体制の整備が進んでいる状況がうかがえる。
公立小・中学校においては、「校内委員会の設置」「特別支援教育コーディネーターの指名」といった基礎的な支援体制はほぼ整備されており、「個別の指導計画の作成」「個別の教育支援計画の作成」についても着実に取り組みが進んでいるといえる。
今後は、障害のある児童生徒一人一人に対する支援の質を高めていくことが課題となる。また、公立高等学校はここ数年で着実に進みつつあるという。
しかし、依然として小・中学校に比べ、幼稚園・高等学校は体制整備に遅れが見られ、さらには国公立に比べ、全体的に私立学校の体制整備に遅れが見られる。「校内委員会の設置」、「特別支援教育コーディネーターの指名」などの基礎的な支援体制づくりに対しても、遅れが見られる状況である。
ただ、「校内委員会の開催回数」は3回以上が全体で50%を超えている。また、特別支援教育に関する教員研修の受講状況については、全体で72.1%の教員が受講しており、うち管理職(校長、副校長、教頭)の受講率は85.2%となっている。国公私立ともに、研修受講率が平成23年度よりも上昇しており、今やすべての学校が抱える特別支援教育への関心の高さ、さらには質を上げる必要性を感じていると言えよう。
今回の調査では平成24年度通級による指導実施状況調査結果についてもあわせて発表されている。
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