米フロリダ州のディズニー・ワールドで行列に並ぶことを嫌った富裕層が、障害者を雇って家族の一員のように見せかけ、行列を飛ばしていた――。米大衆紙の報道をきっかけに、そんな富裕層の行動に対する批判が強まっている。
米紙ニューヨーク・ポストの報道によると、障害者を「ガイド」として雇ってディズニー・ワールドを訪れるツアーの存在は、ニューヨークに住む富裕層の行動について調べていた研究者のウェンズデイ・マーティン氏が突き止めた。
「闇市場のディズニーガイド」を雇うための料金は1時間130ドル(約1万3000円)、1日8時間で1040ドル(約10万6000円)。匿名で同紙の取材に応じた女性は、「娘は1分並んだだけで『イッツ・ア・スモールワールド』に入場できた。ほかの子どもたちは2時間半並ばなければならなかった。ツアーコンシェルジェがいなければディズニーには行けない。これが1%(の富裕層)がディズニーでやっていること」と証言している。
この女性はドリームツアーズという旅行会社を利用し、自己免疫疾患を持つ同社の関係者が、電動車いすを使ってツアーガイドを務めたという。
ドリームツアーは「不正確な報道と中傷により、現在VIPツアーは行っていません。私たちは特別なニーズを持つ大人に素晴らしい休暇を提供し、その夢をかなえる手伝いをすることに力を入れてきました」とのコメントをウェブサイトに掲載した。
ディズニーでは待ち時間を短縮するためのツアーや、ファストパスなどのサービスも提供している。しかしマーティン氏によれば、富裕層は障害者のガイドを雇った方が安上がりで、行列の一番前に並ばせてもらえると話していたという。
ディズニー広報は15日、「障害を持つゲストのためのはからいを悪用することは容認できない」「徹底調査を行って、こうした行為を阻止するための対策を取る」と言明した。
ネット上ではこうしたやり方を強く非難するコメントがツイッターなどに殺到した。一方で、障害者が収入を得る助けになると擁護するコメントも投稿されている。
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