県手をつなぐ育成会(奈良県橿原市)は、知的、発達障害がある人の健康状態や日常生活などを記録するファイル「ならHeart&Heart」(A4判)を作成した。親が亡くなっても施設入所や災害時の避難など支援が必要な場面で困らないようにするのが目的。同会は「地域との懸け橋として活用してもらえれば」としている。
「障害者と家族や地域、支援者の心をつなぐ」との思いを込めて名付けた。記入欄は30ページで、名前や生年月日、緊急連絡先、持病や薬、食事、本人が利用する福祉制度のほか、学校や施設、会社の経歴や1日の過ごし方、親の願いなど項目は多岐にわたる。ページの追加もできる。
同会は障害がある人の親ら約1000人で構成。高齢の親も増え、将来の支援が課題になっていた。昨年の東日本大震災を踏まえ、昨年6月から「親なき後」検証委員会のメンバー13人が月1~4回集まって検討。先行事例を参考にし、パニックになる原因や対処方法をはじめ、親が困った場面も考慮に入れ、記入する項目をまとめた。
中山幸子委員長らは「周りの支援が必要だが、千差万別で親にしか分からないこともある。母子手帳に続くものとして成長記録を書きとめることで、命をつなぐファイルにしたい」と言い、川本肇理事長は「色んな場面で『ならHeart&Heart』が頼りになるよう普及してほしい」と期待している。
会員には無料で配布。希望者には実費で販売する。
問い合わせは同会(0744・29・0150)。
【関連サイト】
・読売新聞
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