ある一人の青年が全米に感動をもたらしている。
動画「Act Of Sportsmanship Gives Texas High Schooler Shot At Glory」を通して話題になっているその青年の名前は、Mitchell Marcus(18歳)。彼はアメリカ・コロナド高校の最上級生であり、同校のバスケットボールチームでマネージャーを務めている。
■バスケ大好き青年Mitchell
彼は発達障害を持っており、なかなか上手くバスケがプレイできないのだが、バスケに対する気持ちなら誰にも負けない。彼のバスケへの熱い想いに関して、母親のAmyさんは次のように話している。
「Mitchellはいつもバスケットボールを持っていました。そして誕生日に欲しがるものも、いつもバスケットボールでした」
またバスケ大好きのMitchellさんは、チームではムードメーカーの役割を果たしていたようで、コーチのPeter Moralesさんは彼の存在について次のように語っている。
「彼は実に素晴らしい人物で、チームメンバーは彼と共にいられることに幸せを感じております」
■みんなの思いやりが作り出した運命の日
そしてその日はやってきた。ライバル校フランクリン高校との対決を迎えたバスケシーズン最後の試合、コーチのPeterさんはMitchellさんにユニフォームを着るよう指示を出した。その時の心境を「とても幸せでした」とMitchellさんは振り返っている。
チームのユニフォームを着る。これだけでもMitchellさんにとっては、とても幸せなことだった。しかしPeterさんのサプライズはこれだけではなかった。そう、Mitchellさんの試合出場も計画していたのである。
試合の残り時間が90秒になった時、PeterさんはMitchellさんにとって最初で最後となる「試合への出場」を彼に贈った。すると会場から「Mitchell! Mitchell!」の応援コールが沸き起こったのである。そしてさらに、チームメイトも必死にMitchellさんにボールを回し、彼のゴールを全力で後押しした。
しかしMitchellさんのシュートがなかなか決まらない。そして残り時間がついに13秒となり、ボールも相手チームへと渡ってしまった。この時のことについて、Peterさんは次のように振り返っている。
「彼がスコアを決めることができなかったとしても、試合に出られたことに喜びを感じてくれたら、それで十分でした」
しかし奇跡は起こった。相手チームのJonathon Montanezという選手がMitchellさんの名前を叫び、「打つんだ! 君の時間だ!」とボールをパスしたのだ。この驚愕の行動に関して、Jonathonさんは次のように語っている。
「僕は自分がされて嬉しいように、他人にも接しなさいと育ってきました。そして僕は、Mitchellはチャンスをもらうべき人間だと思ったのです」
そしてJonathonさんからボールを受け取ったMitchellさんは、ゴールリングめがけてシュート。この結果はぜひ動画「Act Of Sportsmanship Gives Texas High Schooler Shot At Glory」を見て、ご確認いただきたい。
試合は15点差をつけ、コロナド高校が勝利。しかしこの試合で見せたJonathonさんのスポーツマンシップを考えると、これは明らかに「両チームの勝利」といって間違いないだろう。
コメントをお書きください