障害者バンドが福岡市で11日に公演 福祉関係者が奔走し実現 【神奈川】

2009年に亡くなったロックミュージシャン忌野清志郎さんが、そのエネルギッシュさから「ロックンロールの原点」と評した、神奈川県の知的障害者らのロックバンド「サルサガムテープ」のライブ公演が11日午後1時半から、福岡市中央区舞鶴2丁目の市少年科学文化会館である。

福岡市自閉症協会など市内の福祉関係者が実行委員会をつくり、開催にこぎつけた。準備に奔走した同協会の小柳浩一会長(59)は「障害者が打ち鳴らす元気なリズムに身を委ね、障害は個性だと体感してほしい」と話す。

 

バンドはNHKの5代目「うたのおにいさん」だったかしわ哲さん(62)が1994年、神奈川県の福祉施設のダウン症や自閉症の障害者、音楽仲間と結成。障害者はバケツに粘着テープを張った即席の太鼓でサルサのリズムをたたいていたことから、バンド名がついた。

 

メンバーは変動があり、15人程度。忌野さんと共作のCDを出したのをはじめ、パリやソウルで公演。昨年12月には来日したオノ・ヨーコさんの前で、オノさんの夫の故ジョン・レノンの「イマジン」を披露した。

 

福岡公演は02、06年に続き3回目。かしわさんと小柳会長が障害者支援を通じて約20年来の親交があることから実現した。前の2回は入場料が2500円だったが、今回は独立行政法人福祉医療機構の助成を得て、千円に抑えられたという。

 

小柳会長は重度の自閉症の長男浩太郎さん(28)を世話しながら、人とのコミュニケーションが取りづらい広汎性発達障害への正しい理解を訴えてきた。「発達障害者は職場や学校で排除されがち。こうした問題に関心のなかった若い人にライブに来てもらい、知らない世界をのぞいてほしい」と語る。

 

【関連サイト】

 ・2012.11.9 西日本新聞

 ・SALSAGUMTAPE[サルサガムテープ]