スポーツライターの乙武洋匡さんが、自身の公式サイト上に「幸せの定義」と題した文章を掲載。「自分にとっての『幸せ』とは何か」との根源的な問いに対する自身の考えをつづっている。
Twitter上でフォロワーから「幸せの定理とは?」といった質問をしばしば受けるという乙武さんは、その質問に回答する形で文章を公開。その中で乙武さんは、「どんな状態を『幸せ』と感じられるのかは、人それぞれ。万人に当てはまる答えなどない。なのに、多くの人が『幸せ』の定義を他者に任せる。もしくは、巷間言われる『幸せ』のカタチを、盲目的にみずからの解とする」と、自分の幸せを世間の評価や価値観に求める人が多いと分析。女性の結婚と出産を例に挙げ、「この2つを通らなければ『幸せ』にたどり着けないと妄信する人が、あまりに多い。たしかに夫と子どもに恵まれ、よき妻、よき母となることは、わかりやすい『幸せのカタチ』だ。だが、それはあくまでひとつのケースに過ぎない。それが唯一絶対の幸せでは、決してない」と、持論を展開して断じた。
では、乙武さんが定義する「幸せ」とは何なのか? 文章の中に、その具体的な答えは書かれていない。ただ、乙武さんは、次のように提案する。「『幸せとは何か』――もちろん、たやすく答えが出るものではない。でも、少なくとも他者にその答えを求めるのはやめにしよう。世間体とやらに幸せを預けるのもやめにしよう。自分で悩み、考え抜いたって、たどり着けるかはわからないのに、他者から与えられた答えを追って、何になるというのか」――。
多くの人が知る通り、生まれつき両腕両脚がないという障害を持つ乙武さん。「手足がないなんて不幸な人生だ」そんな世間一般の価値観に対し、乙武さんは高らかに反論する。「そんなの、ぜんぶ、決めつけ。オレの幸せは、オレが決める。あなたの幸せは、あなたが決めればいい。だれの人生でもなく、あなたの人生なのだから。これはほかでもない、僕の人生なのだから」。
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