知的障害高等支援学校を2015年開校へ【山梨】

山梨県教委は、軽度の知的障害を持つ生徒を対象にした新しい高等支援学校を2015年4月に開校する方針を固めた。新支援学校は旧山梨園芸高校(笛吹市石和町中川)の施設を改修して利用。県内の支援学校としては初めてとなる専門学科を設置する。在学中から職業教育を受けることで、生徒が卒業した後に社会的自立を図れるよう後押しする。

高等支援学校は、高校生の年代の生徒が通う。県教委は今年4月、旧山梨園芸高校に、かえで支援学校(甲府市)の分教室を設置し、高等部の普通科に「職業実践コース」を新設した。しかし、特別支援学校に通う生徒の増加が今後も見込まれており、新たな支援学校を設置することで生徒増加に対応し、職業教育強化も併せて推進する。

 

県教委によると、新支援学校には専門学科に当たる「産業技術科」を設置し、18学級144人を定員とする。コースは▽農業分野の実習をする「農業生産」▽食品製造や接客技術の習得を目指す「食品加工」▽清掃やビルメンテナンス作業を学ぶ「環境メンテナンス」――の三つを設け、実践的な教育を目指す。通学区域は全県とし、寄宿舎も建設する計画だ。

 

昨年度、県内の特別支援学校を卒業した知的障害を持つ生徒134人のうち、就職したのは20人。就職率は14・9%にとどまっており、職業教育強化が急務になっている。