日本初の知的障害児者施設の運営に携わり、“障害児教育の母”と呼ばれた石井筆子の生涯を描いた映画「筆子・その愛―天使のピアノ―」(山田火砂子監督)の上映会が9月29日、横須賀市本町の市立総合福祉会館5階ホールで開かれる。主催者は「日本の福祉の礎を築いた人物の歴史を知ってほしい」と、鑑賞を呼び掛けている。
石井筆子は幕末、長崎の大村藩士の娘として生まれた。後に授かった娘に知的障害があったことがきっかけで、日本初の知的障害児者施設「滝乃川学園」(東京都)の創始者・石井亮一と出会い、結婚、学園の子どもたちの教育に尽力した。
社会福祉の概念がなく、障害者への偏見が渦巻いた時代。夫妻は障害児に温かなまなざしを向け続けた。映画では、女優の常盤貴子さんが筆子役を務め、国内各地から集まった障害児たちと共演している。
「日本の障害者福祉を切り開いた先駆者の存在を伝えたい」と、横須賀を拠点に福祉活動をしている市民グループのメンバーらが実行委員会を結成し、上映会を企画。横須賀市などが後援している。
実行委代表の嶋口司さん(62)=同市桜が丘=は「人権が確立されるまで、長い苦労の歴史があったことがこの映画で分かる。上映会を通し、偏見をなくす大切さをたくさんの人に感じてもらえたらうれしい」と話している。
入場無料。午後1時開場、同1時半~3時半上映。定員400人(先着)。問い合わせは、嶋口さん電話090(3529)2654。
【関連サイト】
・筆子・その愛―天使のピアノ― Wiki
コメントをお書きください