知的障害者などコミュニケーションにハンディを抱える人がトラブルに巻き込まれそうになった際、相手に見せて支援の必要を伝え、支援者らに連絡してもらう「たすけてカード」を、奈良の市民団体が考案した。障害を持っていることが理解されず、誤解を受けて大きなトラブルになるのを防ぐ狙いだ。名刺大のカードはインターネットでダウンロードし、印刷して使用する。
市民団体は、障害者の支援者や養護学校の教員で作る市民団体「奈良県SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)勉強会」。奈良県の知的障害の男性(31)がファストフード店でトラブルに巻き込まれて刑事事件になったことから、カードを考案した。
勉強会によると、男性は10年8月、同県大和高田市のファストフード店で若者グループと座席を巡ってトラブルになった。困った男性が警察に通報すると、若者は警察官に「(男性に)つねられた」と被害を訴えた。
男性は否定したが、警察署で取り調べを受けるうちに、つねったことを認め、暴行容疑で書類送検された。地検はその後、男性を不起訴処分にした。
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