息子の力作、写真に 高江洲さん 北中城で展示会 【沖縄】

北中城村のカフェ「グリーンオブライフ」で「大ちゃんの不思議な国―ママが撮った自閉症大ちゃんのアート写真展」が16日から開かれている。重度の自閉症がある高江洲大智(だいち)君(14)=沖縄市=は、動物や乗り物などユニークで表情豊かな粘土細工を作り出す。しかし、作った物をすぐに壊してしまうため、母・京子さん(57)はカメラで撮影し、写真として作品を残すことにしたという。写真展ではその中から約60枚を展示している。9月18日まで。入場無料。

大智君は、美咲特別支援学校の中学部に通っていたが、2010年末から不登校になり、昨年8月から外に一歩も出ない引きこもり生活を送っていた。現在少しずつ外に出ているが、家にいることが多い。
 

京子さんは、大智君が外出できるようになるにはどうしたらいいかを考え「展示した写真を見せたら自信になるんじゃないか」と思い、写真展を開催した。
 

粘土細工を作る時、大きな音がするスピーカーや犬など、苦手な物もよく作るという。「(嫌いな物を)克服したいという思いなんじゃないかな。自閉症の子は自分の思いを周りの人へ伝えることが苦手。大智にとって粘土細工はおもちゃであり、自分の思いを表現する道具だと思う」と話した。
 

自閉症の子どもを持ち、日々頑張っているお母さんやお父さんたちに特に写真展を見に来てほしいという。「自閉症の子と向き合うのは大変なこともあるけど、個性的で楽しい世界を持っていることも写真展を見て知ってほしい。自閉症を理解するきっかけになれば」と語った。
 

問い合わせはグリーンオブライフ(電話)098(989)4455。

 

2012.8.25 琉球新聞