超低賃金で放置される障害者就労に立ち上がった男…障害を売りにしてパン屋失敗 【高知】

 レストランや食品工場の運営で延べ100人を超える障害者の雇用を生み出した「NPOワークスみらい高知」の竹村利道さん(48)の取り組みを描く。障害者の就労支援事業所は全国に5000か所以上あり、そこで働いている9割の障害者は月に1万3000円ほどの賃金で単純作業に従事している。15年間、社会福祉協議会で働いていた竹村さんは、こうした労働環境に「こんな社会はおかしい」と訴え続けてきた。

40歳で退職してはじめたパン屋で障害者を雇用して、労働に見合った対価として県の定める最低賃金を支払うと宣言したが、赤字がふくらみ経営は2年で破綻した。

最大の敗因は 「このパンは障害者のある人たちが心を込めてつくりました」とチラシに載せたビジネスに対する甘さ。障害者を売りにしたキャッチコピーでパンを買うのは福祉に関心の高い「奇特な」人だけだったのだ。

 

再起をかけて立ち上げたNPOで、竹村さんが掲げたポリシーは「障害を売りや言い訳にしない」だった。徹底した品質とサービスの提供、福祉を排した店舗づくりで、年商5億円を上げ、障害者に10万円近い賃金を支払っている。

早稲田大学で公開収録も実施。元プロボクサーの内藤大助さんをゲストに、社会を変えたいという会場の学生や社会人とともに熱く語り合う様子も放映する。

 

2012.7.30 Jcast

 

【関連サイト】

 ・竹村利道さん ワークスみらい高知