墨絵に励むダウン症の小波津君 家族との成長映画化 【沖縄】

墨絵を描き続けるダウン症の小波津有希君(16)=西原町小波津、島尻特別支援学校高等部2年=の創作風景や家族の絆を描いたドキュメンタリー映画「琉球の空へ 羽ばたけ天使君」が完成し、18日に八重瀬町の同校で保護者や生徒向けの試写会が行われた。母智恵美さん(53)は75分間の映像を通し、「障がい者やその家族に勇気を与え、夢を諦めないで前へ進むことをみんなに伝えたかった」と話した。8月18日の西原町の東崎音楽堂での無料試写会を皮切りに、県内外での上映の広がりに期待している。
 

有希君は小学1年のころに書道教室に通い始め、書家の故知念龍仙さんがその才能を発見。独特の感性で口や手、足で筆を持ち、墨の濃淡が織りなす作品が注目されてきた。
 

以前から映画化の夢を抱いていた智恵美さんの思いと出会いがつながり、昨年、制作実行委員会を発足。日本映画監督協会会員の北畑泰啓さん(65)=宮古島市在住=が監督を引き受け、今年1月に撮影を開始。家族の日常や学校生活、有希君の才能を支えてきた関係者らを撮影し、6月に編集作業を終えた。
 

2000年に夫の盛正さん(享年48歳)を病で亡くした後、美容室を切り盛りし、4人の子を育ててきた智恵美さん。有希君の3人の兄姉もアルバイトなどで家計を支えてきた。言葉はあまり話さないが、「天使」のような笑顔を見せる有希君と家族が支え合い、明るく前向きに生きる様子が描かれている。
 

試写を見た瑞慶覧末子さん(52)=南風原町=は「自分の子どもと共通する部分が多く、感動した」と涙を拭った。
 

東崎音楽堂の試写会は午後2時と、同7時から。上映の問い合わせはNPOスマイリーはうす(小波津智恵美代表)(電話)080(3971)3724。

 

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