自閉症の小6男児にいじめ…「死にたい」と転校 小学校側は当初認めず【横浜】

横浜市金沢区の市立小学校に通っていた発達障害の6年生の男子児童(11)が、同級生から暴行や暴言などのいじめを継続的に受けていたことが13日、市教育委員会への取材で分かった。保護者は4月、学校側にいじめ被害を相談していたが、学校側は当初「友達同士のトラブル」と判断。5月下旬になって初めて、いじめと認めたが男児は6月に転校した。市教委は「相談のあった時点でいじめに気づくべきだった」と対応の不備を認めた。

市教委によると、いじめにあっていたのは普通学級に通学していた高機能自閉症の男児。同級生男児3人に障害児を意味する「ガイジ」などと呼ばれたり、蹴られたりするなどの暴力を受けた。母親が4月下旬に学校に相談。担任らは事実関係を確認し、男児3人に暴力をやめるよう指導したが、いじめではないと判断。被害児童が自宅で「死にたい」と手首にカッターナイフを当てるなどパニック状態を示したため、母親が5月末に再度相談した時点で同校はいじめと認めたという。

 

「子供が不安を抱いている」と両親から申し出があり、被害児童は6月上旬に転校。直前の同月1日、被害児童はひざや肩などに1週間のけがを負った。両親はいじめをしていた3人のうち2人の暴行によるけがとして、神奈川県警金沢署に被害を申告した。同署で詳しい経緯を調べている。市教委によると、2人は暴行を否定している。

 

市教委や同校は6月下旬、両親に謝罪。市教委南部学校教育事務所は「相談には対応していたが、4月下旬時点でいじめに気づけなかった。事実関係の解明と再発防止に努める」と話している。

 

2012.7.13 産経ニュース