乗馬療法:楽しく笑顔に 発達障害児の療育に効果−−豊前・恵光園こどもの家【福岡】

発達障害や知的障害の幼児が通う児童発達支援センター「恵光園こどもの家」(豊前市、松尾英子園長)が、全国でも珍しい乗馬療法を行い、療育に効果を上げている。子供たちが乗馬を楽しみながら馬と触れ合うことで日常生活のルールを自然と身につけ、自信を持つようになるという。

乗馬療法が始まったのは97年。スイスの施設で障害児が乗馬を楽しむのを見た前園長が、インストラクターや馬場をそろえて実現させた。初めて馬に乗った時は、怖がって泣く子もいるが、馬の体温を肌で感じ、高い場所からの眺めやスピード感を味わううち、月に1度の乗馬を楽しみにするようになる。

 

発達障害の子供はコミュニケーションをとるのが不得手で、独特のこだわりを持つことが多い。「例えば注意欠陥多動性障害(ADHD)の子は、馬に乗る楽しさを覚え、衝動的に馬から飛び降りなくなる。腹筋も鍛えられて長い間いすに座れるようになります」と松尾園長は話す。自分より大きい馬を操った達成感も生まれるという。

 

2012.6.14 毎日新聞