ヤマトホールディングス(東京都中央区)の特例子会社「スワン」は、焼きたてのパンを店頭や出張で販売するべーカリー・カフェ。平成10年設立で、現在は知的障害者24人、精神障害者4人、身体障害者1人の計29人が直営3店舗と物流センターで働く。技術を磨き、バリスタになり、健常者よりも高い給料を得る人もいる。障害者と健常者の比率はほぼ1対1。
社長、海津歩さん(51)はこう話す。「障害者の多くが『ありがとう』と言うことは多くても、逆に言われた経験が少ない。みんな、『ありがとう』と言われたいのです」。
障害の有無にかかわらず、従業員が求めるのは、給料や待遇だけでなく、自分の能力をいかし、やりがいを感じられる仕事だ。「企業に就職」するのではなく、「起業を選ぶ」人もいる。
「法定雇用率を達成するため、企業サイドの採用意欲はとても高い。でも、『活(い)かす(戦力として期待)』というところまで考えていない企業がほとんど。その結果、やりがいが感じられず離職してしまう」と話すのは、障害者の就職転職支援会社を辞め、昨年12月にカフェ「サイン・ウィズ・ミー」(文京区)をオープンさせた柳匡裕さん(39)。
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