増える障害者の大学等進学 1万人を突破【JAPAN】

発達障害を含む特別支援教育の充実など、障害のある子どもたちへの教育の在り方が大きな課題となっています。しかし大学など高等教育における障害者への対応は、あまり話題に上りません。高等教育における障害者対応の現状はどうなっているのでしょうか。独立行政法人日本学生支援機構の調査結果によると、2011(平成23)年度に大学・短大などで学ぶ障害者学生の数が初めて1万人を突破したことがわかりました。

全国の国公私立の大学・短大・高等専門学校のうち、障害(診断書のある発達障害を含む)のある学生が在籍しているという学校は、大学が597校(76.9%)、短大が158校(42.4%)、高等専門学校が52校(91.2%)で合計807校(66.9%)となっており、大学の約8割に障害のある学生が在籍しています。障害のある学生の数は、大学が9,404人、短大が485人、高等専門学校が347人。合計1万236人(前年度比1,426人増)で、初めて1万人を突破しました。このうち大学の内訳を見ると、学部・通学が7,502人、学部・通信制が1,300人、大学院・通学が563人、大学院・通信制が37人、専攻科が2人となっています。

 

高等教育機関に在籍する学生を障害別に見ると、「肢体不自由」が24.3%、「病弱・虚弱」が20.0%、「聴覚・言語障害」が15.2%、パニック障害など「その他」が18.0%、「発達障害(診断書あり)」が14.2%、「視覚障害」が6.7%などとなっています。ただ、学生全体に占める障害のある学生の割合は0.32%に過ぎません。

 

また、障害のある学生のうち「ノートテイク(代筆)」「休憩室の確保」「パソコンの持込使用許可」など学校側が何らかの支援をしている学生は5,897人で、障害のある学生全体の57.6%となっています。言い換えれば、障害のある学生の約6割が学校から何らかの支援措置を受けている一方、残り4割は支援の申し出をしていないか、支援自体を受けていないということになります。

 

支援を受けている学生を障害別に見ると、「視覚障害」が77.1%、「発達障害(診断書あり)」が73.2%、「重複障害」が75.3%、「聴覚・言語障害」が66.8%などで、発達障害のある学生の7割以上が学校からの支援を受けていることが注目されます。発達障害のある学生への支援内容を見ると、授業の関係では「実技・実習配慮」「休憩室の確保」「注意事項等文書伝達」など、授業以外では「保護者との連携」「(対人関係など)社会的スキル指導」「専門家によるカウンセリング」などが挙げられています。

 

このほか調査では、障害のある学生には含めていませんが、医師の診断書がないものの発達障害と推察されるため、学校側が支援を行っている学生についても調べています。それによると、発達障害と推察されて支援を受けている学生は、大学が2,035人、短大が184人、高等専門学校が91人の計2,310人で、その内訳は高機能自閉症等が1,247人、不明が563人、学習障害(LD)が275人、注意欠陥/多動性障害(ADHD)が225人などです。

【2012.3.26 産経ニュース/提供 Benesse教育情報サイト