自閉症児童が保育園児に絵本朗読【愛媛】

 見て知って、僕の得意なところ―。自閉症と診断され特別支援学級に通う西条市の小松小3年行本博司君(9)はこのほど、自慢の聴力や記憶力を生かして絵本の物語を丸覚えし、保育園児らに読み聞かせする活動を始めた。28日、同市小松町新屋敷の小松東保育園では、本を見ず「ツルの恩返し」など3作を朗読し、園児たちをびっくりさせた。
 

「お前はあの時の」「そうです。あなたに助けてもらったツルです」。行本君は読み聞かせビデオを聞いて覚えたとおり男声、女声を使い分け。抑揚や間も巧みに使い、聞きやすい大きな声で朗読。15分ほどでお話が終わると、聞き入っていた園児から「すごい」と大きな拍手が起きた。


 明るくにこにこ笑う行本君は、生まれつき言葉のコミュニケーションがちょっぴり苦手。自分の気持ちを表現することや、会話の相手の気持ちを理解することがうまくできない。授業などでじっとしているのも難しい。【2012.3.28 愛媛新聞】