発達障害 脳の活動部分に違い

他人とコミュニケーションを取ることが難しい発達障害の子どもと、そうでない子どもとでは脳の活動する部分が違うことが、金沢大学のグループの研究で初めて分かり、発達障害の早期発見につながる成果として期待されています。

 

子どもの発達障害を研究している金沢大学の三邉義雄教授のグループは、脳の磁場の変化を測る装置を使って3歳から7歳までの発達障害の子ども35人と発達障害ではない子ども35人の情報の分析や記憶に関連する神経細胞の活動を調べました。


その結果、神経細胞の活動は、発達障害の子どもでは85.7%が右の脳を中心に行われていたのに対して、発達障害ではない子どもは91.4%が左の脳を中心に行われていたということです。


グループによりますと、発達障害の子どもの脳の活動の違いが明らかになったのは初めてだということです。

 

発達障害の診断は、現在は、医師の問診で行われていますが、三邉教授は「問診だけでなく、脳の活動を調べる客観的な診断方法が確立すれば、早期発見につながり、その子どもにあった教育や対応ができるようになる」と話しています。


また、発達障害に詳しい児童精神科医で浜松医科大学の中村和彦准教授は「これまで発達障害は医師の経験に基づく診断方法しかなかった。今回の成果が実用化できれば、診断の根拠になり有意義だ」と話しています。 【NHK News Web 2012.3.15