「信頼の母に殺害された長男哀れ」 発達障害の長男殺害の母に懲役5年判決

昨年1月、東京都内の自宅で長男(4)の首を絞めて殺害し、長女(6)を殺害しようとしたとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた母親(36)の裁判員裁判の判決公判が17日、東京地裁立川支部であり、毛利晴光裁判長は「犯行は執拗(しつよう)で残虐だ」として懲役5年(求刑懲役7年)の判決を言い渡した。

判決などによると、母親は昨年1月12日、自宅2階の居間で長男を絞殺し、1階居間にいた長女の首を絞めたが、暴れて苦しむ姿を見て、かわいそうになり途中でやめたため、全治一カ月の重傷を負わせた。

 母親は検診で長男が広汎性発達障害と診断され、幼稚園の入園も断られて以来、悩んでいた。

 判決理由で毛利裁判長は「それなりに同情の余地がなくはないが、夫や親族などが近くにいて追い詰められた状況とまではいえない」とした上で、「信頼していた母親に殺害された長男は哀れで、命を軽視するにもほどがある」と述べた。

 公判で弁護側や遺族は「母親を刑務所に送っても誰も喜ばない。長女が母の帰りを待っている」などと述べ、執行猶予刑を求めていた。

 毛利裁判長は判決言い渡しの後、裁判員の言葉として、「罪を償い、(重傷を負った)長女にもきちんと謝った方がいい。子供をあやめたその手を今後は人を助けることに使ってほしい」と述べた。【産経新聞 2012.1.17

 

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