2010年7月29日、人民日報は記事「中国に自閉症の子どもが100万人超=8割は治療を受けず」を掲載した。先日、自閉症の子どもを描いた中国初の映画「海洋天国」が公開された。主人公・阿福の運命は多くの観客に衝撃を与えた。だが、現実社会では、阿福と同じ自閉症の子どもが100万人以上存在する。
近年、中国の自閉症患者発生率は上昇傾向にあるという。01年、中国の6省・市でサンプル調査が実施されたが、約1%の人々が自閉症と認定された。04年の北京市の調査では、罹患率は1.5%だった。この数値から中国全体では100万~150万人もの子どもが自閉症だと推定されている。
自閉症には現在、根本的な治療方法はなく、大部分は大人になっても自力で生活することはできない。一部には回復訓練を行う施設もあるが、大金が必要となる上、両親は子どもにつきっきりになる必要がある。そのため自閉症の子どもの80%は一切の治療を受けていない。また、施設の多くは民営で、レベルや訓練方法も統一化されていないという。
もっともこうした状況に変化も見えつつある。中国障害者連合会は11年からの「第12期5か年計画」で、自閉症患者への教育、扶助施設の整備を盛り込むよう求めている。政策的支援への期待が高まる中、自閉症の子を持つ親たちも事態に対し勇敢に向き合うようになってきた。ある母親は次のように話している。「神様が自閉症の子どもを授けてくださったのは、私たちが優秀だからでしょう。ちゃんとやれると思ったから授けてくれたんですよ」と。
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