Greeting from Website Manager
私がカナダ・バンクーバーに移住してきたのは、2004年。それから今まで、自閉症に関するいろいろな情報を調べたり、ネットワークを築いたりしてきました。
その中で驚いたのは、「バンクーバー近郊で、自閉症をはじめとした発達障害を抱えているお子さんを育てている日本人ご家族が意外と多い」ということ。日本なら、日本人の自閉症児/者の数は多くて当たり前。でも、カナダではいくら都市部であっても、そうはいないだろう。。。というのが、私のカナダに来る前の想像でした。
それが、来てみたら・・・「毎日、子育てに奮闘している日本人のお父さん、お母さん」が多いこと!!(@_@) それには、やはり、国際結婚で日本人のカナダでの人口が増加したこと、世界規模で発達障害児発症率が増加していることが影響しているようです。
情報収集している間に出会ったのが、日本人女性Aさん。Aさんも自閉症のお嬢さんを長年カナダで育てているお母さんでした。お嬢さんは、かなり大きく、確か当時で40歳近い年齢だったと思います。
「今の人は恵まれてて、いいですよね」会話の最中、Aさんから何回か聞いた言葉です。
Aさんのお嬢さんが自閉症と正式に診断された当時は、自閉症そのものが現代以上に知られてなく、お嬢さんの身になにが起こったのかもわからなかったそうです。周囲はみな英語。誰にも相談できない孤独・・・そんな葛藤を繰り返しているうちに、ようやく、同じ悩みを抱えているもう一人の日本人のお母さんと知り合いに。彼女のお子さんもかなりひどい障害をもって生まれた上、英語が苦手でサポートも充分に受けられてなく、精神的な落ち込みは相当なものだったそうです。Aさんと知り合いになることで、一時期は落ち着きを取り戻したものの、その後まもなくして、自決という選択をされてしまったそうです。
Aさんは話してくれました。「その時に、日系のサポートグループがあったら、どんなに彼女も救われたことか・・・」
Aさんのこのお話が私の心に深く深く刻まれました。私自身も、重度の自閉症の息子を抱えたシングルマザー。お二人の苦労の日々が、痛いほどよく理解できます。それから何年もの月日が流れました。
--- 今の人は恵まれてて、いいですよね ---
果たして、今の世の中は、Aさんの言う通りになっているのでしょうか?
確かに、自閉症はAさんの時代よりも認知度が高くなりました。さまざまな情報で溢れ、行政のサポート体制も ”それなりに” あるように思えます。それでも、障害児を抱えるご家族の苦悩はなくなりません。差別・偏見も、なくなりません。テレビにインターネット。。。個人で楽しむ機会が多くなった現代社会は、他人に対する関心が少なく、人間関係も希薄になったと言わています。その分、ご家族の孤独感は、ひと昔前よりも強くなっているのかもしれません。
しかし逆に、家にいながらにして、世界中とつながることができるインターネットの出現は、どうしても行動できる範囲も時間も制限されてしまうご家族にとっては、孤独感を癒す救いのツールになっている事実も否定できませんよね。
我が子に障害があると聞いたとたん、誰もが思う疑問。「なぜ、私が・・・?」
そういう思いを胸に、大変な日常と社会と格闘しているのは、あなたひとりじゃない。
微力ながら、このサイトもみなさんの「救いのツール」になってくれれば幸いです。^^
✺◟たんぽっぽ管理人 JOJOママ◞✺