Transition Period での注意点
Tricks and Traps during Transition Period
それまであったいろいろな助成が年齢対象外になってしまう19歳以降。頼みのツテは、政府機関の窓口になる CLBC (Community Living BC) のみ。MCFDのソーシャルワーカーから交代した、成人対象の CLBCのファシリテーターを通して、成人期の計画を立てて行くことになります。
「Day Program・雇用支援サポート・レクリエーション」などなど。。。成人を対象とした障害者サービスはありますが、それらを利用することができるのか、いくら助成金が下りるのか・・・は、対象者の障害の症状や必要性を基準に、全てCLBCが決定します。
つまり、お子さんの将来を握っているのは、CLBCということになるのです!!
ここで、まず最初に確認しなければいけないのは、「担当のファシリテーターは頼りになる人か?」ということ。同じCLBCファシリテーターであっても、個人個人によってかなり差があるようです。「すごく勉強家で、ボランティア活動も積極的に行い、障害者を抱えている家族を支援したい気持ちが強い」こんなタイプのファシリテーターであればとても理想的ですが、現実は残念ながら、このようなファシリテーターだけではないのです。障害者への知識や訓練はある程度必要になってくるものの、特に関連した資格がなくてもファシリテーターになれるため、「最低限の仕事しかしないファシリテーター」の場合は、どんなに家族が悲痛な思いを訴えていったとしても、家族の気持ちをあまり理解してくれないかもしれないのです。たとえ、個人的には同情をしてくれたとしても、ファシリテーターには「限度が決まっている政府の予算に合わせて、支援を提供していかなければいけない」使命もあるので、全てのクライアントに希望しているサービスを提供することは難しい立場にあることも忘れてはいけません。しかし、誰がファシリテーターになるかで、受けられるサービス内容も差が出てくることもあるので、仕事ぶりに不安や不信感を持ってしまったら、できるだけ早い段階でCLBCのマネージャーに相談。担当を変更してもらうように要請した方がいいです。
そして、ファシリテーターとミーティングを重ね、「成人期をどのように過ごしていくか」の計画を立てて行きますが、ここで注意したいのは、手ぶらで出かけないこと。「自分の子どもにとって、何が必要なのか。将来、どのような生活をして欲しいのか。」具体的なビジョンを持ち、希望するプログラムや施設を見学したり、専門家に相談したり、情報収集して望むことが必要です。そうしなければ、「お宅のお子さんは、障害が非常に重度で、出来ることがあまりないので、これしか受けられるサービスはありません」などという言葉で言いくるめられてしまう可能性もあるのです。ファシリテーターが言うことを鵜呑みにせず、自分自身できちんと調査・勉強することが大切です!!
CLBCを通してもらえる助成金の範囲内で、必要なサポートを自分なりにコーディネートするシステム。現在提供されているサポートで満足をしていればいいですが、そうでない場合、このシステムに変更する手もあります。
通常は、本人や家族と相談の上、CLBCがクライアントのニーズを判断、サポート内容を決定するので、選択肢がある程度決まってしまうところがありますが、このシステムでは、いろいろなサービスを提供するエージェンシーやスペシャリストを自ら選択。CLBCから認可される必要性はあるものの、助成金(時間)を管理することができるのです。
このシステムを利用するには、当然のことながら「自分が利用できる助成金の額」を把握している必要性があるのですが、CLBCのファシリテーターによっては、これをなかなか言ってくれないこともあります。成人期に入ってまもないクライアントや、知識があまりないと思われているクライアントの場合は、何故だか、普通に尋ねたら、言葉を濁されることが多いようです。なので、事前に自分が必要としている具体的なサポートを調べ、「どうしてそのサポートが必要なのか、何故 Individualized Funding のシステムにする必要があるのか、そのサービスを受けると得られる効果」をきちんとプレゼンして、CLBCに理解してもらうことが必要です。
そして、一旦、この Individualized Funding 内で助成金額(時間)が決定されると、たとえ利用するエージェンシーを変更したとしても変わりません。プログラムの途中で変更した場合は、その時点で残っている助成金(時間)を繰り越すことも可能です。
【関連/引用/参考サイト】
・[PDF] A Guide to - Community Living British Columbia
CLBCが利用するエージェンシーと結ぶ契約。
日本人は結構律儀な人が多いので、「一度、契約を結んでしまうと、そう簡単には変更できないのでは」と思っているみたいですが、そんなことはありません。
良かれと思って利用を始めたサービスであっても、内容が想像していたものと異なっていたり、障害者本人が楽しんでいる様子がなかったり、もっと魅力的なエージェンシーが出てきたり・・・といった理由があるならば、いつでも契約を打ち切ることが可能です。
希望するサポートがあっても、そのサポートをすぐに受けられるとは限りません。受入れられる人数にも限りがあるので、希望者が殺到してしまうと、当然のことながら、待機時間が発生してしまいます。人気のあるプログラムであれば、空きがなかなか出ないので、「いつまで経っても入れない」なんてことも。また、空きがあったとしても、助成金の範囲内でなければ、自己負担が増え、泣く泣く断念せざるをえないこともあります。
そこで、似たような状況にあり、同じサポートを必要としている家族が集まって作ったのが、Inclusion Work。通常、5~8世帯が協力して、それぞれの助成金を出し合って、セラピストなどの専門家を雇用。グループでサポートを受けるので、1対1では高額なプログラムであっても、助成金内になります。まさに、「待機時間もなく、経済的負担も減る」画期的なアイディアです!
グループワークが苦手な障害者や、個別対応しなければいけない重度の障害者には不向きですが、このようなコミュニティーを形成することによって、中には、大学に進学したり、雇用先を見つけたりできた例もあるそうです。
さまざまなサポートを利用するにあたって、必ずや直面する書類申請。ケースによっては、あれや~これや~と記載しなければいけない箇所があり、膨大になることもあります。
その面倒なペーパーワークをエージェンシーが「サービスの一環としてやってくれる」のか、「費用は別途でも、助成金の範囲内でやってくれる」のか、あるいは、「自分達でやらなければいけない」のか、確認する必要があります。
「自分達でやらなければいけない」場合、税金申請にもかかわってくることなので、Canada Revenue Agency に連絡し、記入すべてき情報の確認をしなければいけないこともあります。
一部のサービスには例外もありますが、殆どの場合、エージェンシーの所在地が Vancouverであっても、利用者はVancouver市民のみに限定してはいません。Richmond市民であっても、Burnaby市民であってもOK。Lower Mainland地域内であれば利用可能になっていますが、送迎の手配は、自己責任になっていることが多いです。